内科専攻医(総合内科志望)研修プログラム

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亀田総合病院 内科専攻医(総合内科志望)研修プログラム

亀田総合病院 総合内科の概要

  • 診療科代表 部長: 野木真将 / 部長代理:吉田明人
  • 創立:2004年
  • 専攻医研修期間: 3年(日本専門医機構認定の総合内科プログラムに準ずる)
  • 指導医メンバー: 5名(うち1名は米国の現役ホスピタリスト)
  • 専攻医メンバー: 9名(1年目: 1名, 2年目: 5名, 3年目: 3名)および3ヶ月間の各専門内科からのローテーション専攻医や院外からの連携施設研修の専攻医
  • 専門医療職メンバー: 2名の診療看護師(ナースプラクティショナー:NP)
  • 総入院患者数: 55-65名
  • 継続外来研修: あり。週に半日。
  • ローテーション内容(一例):
    卒後5年目:3ヶ月の外来診療、6ヶ月の病棟診療、3ヶ月の選択科。
    卒後3および4年目:2ヶ月の外来診療、2ヶ月の病棟診療、2ヶ月の選択科、6ヶ月の連携施設研修
  • 当科の当直(病棟からのコール対応、新規入院): 月5-6回

総合内科のミッション

  • 他職種や専門医と連携し、世界標準を満たす、エビデンスに基づいた包括的な医療を提供する。
  • 日本の医療の未来を切り開く卓越したジェネラリストとリーダーを育成する。
  • 患者や家族の価値観に寄り添いながら、全人的医療を提供する。

総合内科のビジョン

  • タスクシフティング、ワークフローの最適化、アウトカムベースの研修、そして患者と医療従事者双方のウェルネスに重点を置いて、未来志向の診療総合診療を革新する。
  • 急性ケア、多職種連携、医学教育、学術活動において国際標準となり、高度医療機関における総合診療のベンチマークを築く。
  • 医療の質の向上、患者安全、アドボカシーをリードし、新たな診療基準を実践する。
  • ジェネラリストとしてのキャリアを目指す若手医療従事者のためのプロフェッショナルホームとなること。

コアバリュー

  • 多様性
  • 才能開花
  • 積極性と前向き思考
  • 改革と挑戦
  • 誠実さと尊重

当科で重要視する21世紀型ジェネラリストのための到達目標

  • POCUSのスキルアップ
  • 学問としてのHospital medicine、高齢者診療、緩和ケア
  • 医療の質改善、患者安全、High Value Careの理論の土台作り
  • 国際標準の共通語育成、評価システム(OBME)
  • 国際的な視野、英語での診療能力、海外留学
  • 診療看護師(NP)を含めたチーム診療
  • デジタル、特にAIリテラシーの向上

研修プログラムの目標としている医師像

はじめに

亀田メディカルセンター(KMC)総合内科研修プログラムは、緻密かつ柔軟なカリキュラムを通じて、熟練した、倫理的で思いやりのある医師を育成することを目的としています。本プログラムは 日本国内で初めてACGME-International(ACGME-I) の認定基準を満たし、日本内科学会(JSIM)の研修目標と整合しながら、研修医を日本および国際社会で活躍できる内科医へと育成します。

千葉県南房総地域では人口の約38%が高齢者であり、複雑かつ多様な医療ニーズが存在します。本プログラムは 地域医療・高齢者医療 を重視し、加齢関連疾患の診療、複数疾患を抱える患者の包括的マネジメント、そして人口動態の変化に伴う医療システム課題への対応を研修医が実践的に学ぶことを目指しています。

また、本プログラムは 米国内科研修の優れた点を活かし、日本の医療に適応させた教育 を行います。米国では、将来専門医になる医師も総合内科医になる医師も、大学卒業後まず幅広い総合内科の研修を受け、その後に専門領域へと進みます。当科も同様に、将来の進路にかかわらず、総合内科医に不可欠な基礎知識と技能を身につける 3年間の研修プログラム を提供しています。

教育目的と理念

本プログラムの主要な目的は、急性および慢性の多様な疾患を幅広い患者層に対して包括的に診療できる能力を育成することです。
研修医は以下のACGME internationalの基準に準拠したコンピテンシーを習得します。

  • 多様な疾患を診断・治療できる 患者ケア能力と医学知識
  • 看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー、ケアコーディネーター、各専門医との 多職種連携能力
  • 病院運営、患者安全、質改善に必要な システム基盤型診療能力
  • 倫理的行動と効果的なチーム連携を促進する コミュニケーション能力とプロフェッショナリズム
  • 自己省察とエビデンスに基づく診療を用いた 実践的学習能力
  • JCI指標・AHRQ基準 を含む国際的ガイドラインへの理解
  • 日本内科学会(JSIM)コアコンピテンシー(診断推論、全人的患者中心ケア、EBM、倫理的診療)の習熟
幅広い疾患を診る総合力

総合内科は「大人のかかりつけ医」として、緊急手術を要しない入院患者や、外来で多様な問題を抱える初診患者を診療します。肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎などの頻度の高い疾患から、日本紅斑熱、ツツガムシ病、感染性心内膜炎、糖尿病性ケトアシドーシスなど稀な疾患まで幅広く対応します。

この幅広い診療経験を通じて、大学病院の専門分化された環境では得がたい 判断力と対応力 を磨き、3年間で総合的な診療能力を確立します。

教育ができる医師の育成

総合内科は頻度の高い疾患を扱うため、教育の現場として最適です。当科では総合内科ローテーションを初期・後期研修教育の「核」と位置づけています。さらに、研修医に対して単に教育を施すのではなく、「教える方法」そのものを指導 しています。後輩を指導することで自己理解を深め、学びを深化させる「教えることから学ぶ姿勢」を大切にしています。

総合内科部長を講師として、院内の医学教育フェローシップにも総合内科指導医、専攻医やフェローが積極的に参加しています。

当科は学生実習や研修医教育でも高い評価を受けており、「ベスト教育診療科」を複数回で受賞しています(最新の受賞は2024年度)。

患者安全と質改善

本プログラムでは、昼カンファレンスでのディスカッションや臨床ローテーション中のQI活動を通じて、患者安全教育を徹底しています。さらに、リスクマネジメント・エラー削減・質改善 に関するeラーニングを必修化し、安全文化を基盤にした診療を実践できる力を養います。

シニア向けのセミナーシリーズでも、ACGMEのClinical Learning Environment Review (CLER)の基準や、米国ホスピタリストのコアコンピテンシーより関連するテーマを取り上げています。

研究・学術・イノベーション

研修医は 臨床研究・症例報告・学術発表 に参加し、最新の医学知識を取り入れながら国際的な学会活動や出版に関わります。

2024年度は 米国総合内科学会(Society of General Internal Medicine, SGIM, USA) において、合計7つの症例発表を行いました。

研修医のウェルネスと成長

当科は研修医の メンタルヘルス支援・ワークライフバランス・リーダーシップ育成 に力を入れており、持続可能なキャリア形成を支援します。院内のチャプレンと合同の定期面談(PUSTA program)も実施しています。

グローバル視点と国際交流

当科は 国際的な学生・研修医交流、海外学会参加(米国SGIM, SHMなど)、外国人教育者との協働 を積極的に推進し、国際標準の診療・教育を実践します。

2023–2025年 国際医学生実習受け入れ実績

  • 北京大学(Peking University, China)
  • アーカンソー大学(University of Arkansas, USA)
  • ヴィータ・サルーテ・サン・ラッファエーレ大学(Vita-Salute San Raffaele University, Italy)
  • ケンブリッジ大学(University of Cambridge, UK)
  • ピープルズ・カレッジ・オブ・メディカル・サイエンス・アンド・リサーチ・センター(People’s College of Medical Sciences & Research Centre, India)
  • L.N. メディカル・カレッジ・アンド・リサーチ・センター(L.N. Medical College & Research Centre, India)
  • センメルワイス大学(Semmelweis University, Hungary)
  • デブレツェン大学(University of Debrecen, Hungary)
プログラム修了後の到達目標

3年間の研修を修了した医師は、米国内科専門医と同等の知識・技能 に加え、日本で求められる臨床能力・文化的感受性・プロフェッショナリズムを兼ね備えた、世界標準の内科医となることを目標とします。

まとめ
KMC内科研修プログラムは、教育の卓越性・患者中心のケア・学術活動・国際的視野 を統合し、次世代の内科医を育成します。高齢化社会の課題に応えつつ、世界標準の内科医を輩出することで、地域と国際社会の双方に貢献します。

今後、増えるであろう、集約化されたメガホスピタルシステムでこそ、病棟総合医(ホスピタリスト)は必要となり、当科で研修した人材は全国で活躍をして欲しいと期待しています。

Internal Medicine Residency program Overall Educational Goals

勉強会やカンファレンスの開催曜日・時間とその概要

総合内科の週間スケジュールを以下に示します。

7:30~ グラム
染色道場
当直対応
8:15~ 症例カンファレンス
9:15~12:00 病棟業務
(午前外来 9:00~)
13:00~ 病棟業務
(午後外来 14:00~)
野木部長勤務時は13:00-13:45にコアレクチャーとPOCUS講義
当直対応
18:00~ 当直対応

カンファレンスのなかで主なものを説明すると
○症例カンファ:全員の前で新入院の患者のプレゼンテーションを行い、その症例の診断・治療などについて議論を行います。そして、症例のティーチングポイントについてミニレクチャーを行います。
○外来レビュー:後期研修医の外来症例を指導医がレビューをし、指導医からフィードバックを得ます。
○多職種カンファ:当科患者について薬剤師、リハビリ科医師、東洋医学診療科医師、看護師・リハビリスタッフ・栄養士・ソーシャルワーカーを交えてチーム医療ができるようにするカンファレンス
○ビジネスミーティング:当科の後期研修プログラムの方針を皆で話しあう会議、月に1回程度
○グラム染色道場:感染症科の細川直登先生によるグラム染色講座
○カイゼンカンファ:過去の経験から医療の質を改善するためのカンファレス
○放射線カンファ:月1回、放射線科指導医による読影指導
○緩和ケアカンファ: 終末期の患者のケアについて学ぶ。

年に1回外来診療に出る前に、外来でよく見る疾患を中心に12コマの外来診療セミナーがあります。


具体的な研修内容紹介

プロフェッショナリズム

レジデントは医療チームの最前線に立ち、指導医の監督下で入院、日々のオーダー、退院、および自らの継続外来でのフォローアップの責任を負います。レジデントはすべてのオーダーと文書作成を担当します。

臨床業務と教育のバランス

朝の症例カンファレンスと講義は戦略的に計画されています。専攻医は適切な作業負荷を確保するために患者数の上限(キャップ)10-15を遵守します。指導医はシニア専攻医、初期研修医で構成されるチームを監督します。
勤務時間は保護されており(定時は8:00-17:00)、月間の休日は病院の方針と公休日規則に従います。

  • 外来教育の特徴:1ヶ月単位の外来専属ローテーションあり。卒後3年目は最初、全例帰宅前に報告と相談義務あり。継続外来は3年間を通じてあり。院内と院外向けに外来診療セミナーを発信。Yale office based curriculumという米国発の自己学習プログラムを全員に提供。
  • 病棟教育の特徴:指導医に全例プレゼンテーションしながら病棟管理を学ぶ。医学知識やスキルだけでなく、医療安全、医療の質、医療システムを有効利用したマネジメントを幅広く教育(Senior seminar)。ベッドサイドで使用する携帯型超音波検査(POCUS)のスキルを徹底的に指導。
チーム単位の教育と患者ケア

一部のチームはナースプラクティショナー(NP)と協力します。慢性期退院支援ケア(LTC)チームには2名のNPがおり、専任指導医が監督します。定期的な会議が病棟看護スタッフ、PT/OT、SW、栄養士と行われます。看護師と医師のコミュニケーションにはMicrosoft Teamsが利用されます。

患者の安全と質の高いケアへのレジデントの積極的な関与

毎日、専攻医は夜間シフトのための簡単な引き継ぎメモを記録します。週末には、引き継ぎは医局のホワイトボードに書かれます。毎週金曜日には多職種ノートが必要です。患者安全問題や学習環境のトピックは、月例の専攻医と指導医の会議(「ビジネスミーティング」)で議論されます。

到達目標(コンピテンシー)ベースのカリキュラムと評価

指導医との定期的な形成的フィードバックセッションがあり、形成的フィードバックフォームは米国のCore EPAモデルに基づいています。
ローテーションごとの専攻医評価は、国際認証(ACGME-international)の要件を満たし、マイルストーン評価法を採用しています。
レジデントの卒業要件としては、日本の専門医機構プログラムの要件(J-Osler)に従い、オンラインのケースログ(200件以上)とケースレポート(18件)が担当指導医によって確認され、学術活動およびワークショップ活動への参加を含みます。

研修修了後の主な進路

当科には総合内科医志望の後期研修医だけではなく、卒後のキャリアとして内科系専門医を考えている後期研修医も多く所属しています。当科のプログラムは総合内科専門医のため、というわけではなく総合内科医師の基礎づくりのためのプログラム、という視点で作り上げました。そのため総合内科医志望の後期研修医だけではなく内科系専門医へ進みたいがその前に内科の基本をしっかり学びたいという後期研修医の方々にもお勧めできる内容となっておりますので、興味のある方はぜひ一度見学にいらしてください。

卒後の進路
当院 消化器内科、脳神経内科、糖尿病内分泌内科、救命救急科、膠原病科、他院 内分泌内科、大学病院膠原病科、市中病院消化器内科 など

その他

病院

  • 電子カルテを使用しているので、端末があれば院内どこでも患者情報にアクセス可能。後期研修医以上は1人1端末貸してくれます。
  • 当院ではUpToDate, Dynamed, Clinical Keyなど様々な文献データベースを利用することができます。
  • 診療科が30科以上あります。
    診療部門も含めた医療サービス全般にわたる ISO9001 の取得の認証や医療機能評価機構(:一般500床以上の認定も受けています。)、国内初の JCI(国際的医療認証機構 Joint Commission International(JCI)審査)取得病院でもあります。
  • 国内初の卒後研修施設としての国際認証(ACGME-International)を取得しています。施設認証だけでなく、総合内科という単一プログラムとして取得したのも国内初です!
  • Newsweekの病院ランキングでは、日本で3位にランクインしています。
  • 研修医に対するレクチャーが多数あります。
  • リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーは多数おり、患者のケアについていろいろな視点から議論できます。
  • クラブ活動があります(フットサル、ボクシング、バレーボール、バスケットボール、野球、スキューバダイビング、サイクリング、剣道など)
  • 院内にローソン、タリーズコーヒー、パン屋さん、スープ屋さんがあります。
  • 最上階に霊安室があります。天国に一番近い。
  • 「日本でいちばん大切にしたい会社2」に掲載されています。
  • 院内にレストランがあり、鉄板焼が食べられます。 https://r.gnavi.co.jp/5fs8zmjt0000/
  • 社宅は多数有り、社宅の駐車場は無料です。
  • 保育所あり。小さいお子さんがいても大丈夫です。
  • 若手医師やコメディカルが多いので育児などの相談ができます。
  • 東京駅八重洲口から当院の前までバスがあります。
  • 初期研修医のモチベーションも高く、教育しようとすることで自分も学ぶ機会が多数あります。

土地

  • 季節を感じる旬な魚、山菜があり、おいしい。
  • 季節ごとの観光スポット。花摘み、イチゴ狩り、潮干狩り、温泉
  • マリンスポーツ(サーフィン、スキューバダイビング)が盛ん。
  • 鴨川シーワールドが近いです。(年間フリーパスもあります)
  • 車ならアクアラインを利用して羽田空港まで約1時間20分、東京まで1時間半で行くことができます。

短期研修プログラム概要

3ヶ月以上であれば宿泊施設が無料で提供できます。(要相談)

日本で最も充実した総合内科プログラムの1つとして知られる当科の良さを実感して頂くのには、実際に研修して頂くのが一番です。そのために、当科では短期研修生を受け入れております。総合内科の研修を他病院で受けているが亀田でも研修したい方、感染症科などの内科サブスペシャリティー専門研修に入る前にジェネラルな研修を体験したい方など、様々なリクエストに応じることができます。このプログラムでは傍観者としての見学ではなく、屋根瓦方式のチームの中で実際に患者を担当して頂き、上級医の指導の下で診療しながら学ぶことを体感していただきます。卒後3年目以上の経験を積んだ医師が対象です。「なんとなく」ではなく、「根拠のある」内科マネジメントを経験することが出来ます。今までに、神戸大学感染症科、春日部市立病院、名古屋記念病院、順天堂大学、日本大学板橋病院、自治医大等からの先生等が当科の研修を修了されています。無給ですが、病院と交渉して3ヶ月以上の研修であれば宿舎は無償で提供します。短期研修修了時には修了証も贈呈しております。 短期研修を希望される方は、nogi.masayukiアットマーク(@に変えてください)kameda.jp 迄ご連絡下さい。お待ちしております。

住所・連絡先
〒296-8602 千葉県鴨川市東町929:亀田総合病院
〒296-0041 千葉県鴨川市東町1344:亀田クリニック
https://www.kameda.com/

指導医名・記載者名

部長:野木 真将(のぎ まさゆき)
米国総合内科専門医(American Board of Internal Medicine;ABIM)
総合内科病棟診療、医学教育修士課程修了(MHPE)
米国内科学会上級会員(FACP)
米国ホスピタリスト学会上級会員(FHM)
臨床研修指導医講習会修了
日本専門医機構 総合診療特任指導医
東海大学医学部 客員准教授
東京科学大学医学部 臨床教授

部長代理:吉田 明人 (よしだ あきひと)
日本専門医機構 総合診療特任指導医
日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
米国公衆衛生学修士(MPH)
米国健康科学修士(MHS)
臨床研修指導医講習会修了
緩和ケア研修会修了

医員:松下 弘樹(まつした ひろき)
日本内科学会内科専門医

医員:宇佐美 逸人(うさみ はやと)
日本内科学会内科専門医

フェロー:小林 礼和(こばやし ただかず)