内科専攻医(総合内科志望)研修プログラム

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定員:若干名

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亀田総合病院 内科専攻医(総合内科志望)研修プログラム

短期研修について

総合内科のミッション

エビデンスに基づいた世界標準の医療を提供する
研修医(初期・後期)に対して教育・指導を行う

研修プログラムの目標としている医師像

米国内科研修の優れた点を活かし、日本に適応させた研修
入院・外来で患者を担当するときは自分の専門の疾患だけでなくそれ以外の疾患も治療する必要があるため、選択した専門科にとどまらず幅広く内科全体の診断・治療についての知識を持っておく必要があります。そのため、卒後医師研修で定評のある米国では将来内科系専門医になる医師も総合内科医となる医師も大学卒業後に幅広い総合内科の研修を受けます。そして、内科系専門医になる人はその後フェローシップに進み更なる研修を受け、総合内科医になる医師は総合内科指導医として活躍します。当科では米国のシステムにならい、各専攻医の進路にかかわらず総合内科医に不可欠な基礎知識・技術を習得するための3年間の研修プログラムを用意しております。
今後高齢化社会の中で各患者が持つ疾患背景はさらに複雑になることが予想されるので、入院・外来を担当する医師として幅広い知識と対応能力があることはますます大切になるでしょう。当科では、総合内科の他に家庭医診療科、感染症科、救急、在宅診療科などさまざまな専門科を背景にもつ医師がそれぞれの優れた点を活かし研修医の指導にあたります。

教育ができる医師
総合内科はすべての医師が知っておくべき頻度が高い疾患を扱うため、医学生・研修医の教育に最適な場所と言えます。そのため、総合内科ローテーションは当院の初期・後期研修医教育の「核」として研修医教育を支えています。また、総合内科は日本では比較的新しい診療科であり、総合内科専門医として現場で働く医師はまだ少ないのが現状です。先程述べた通り、複数の疾患を抱える患者が多い高齢化社会において医療を支えていくには総合内科医の育成が不可欠です。その社会のニーズに応えるには総合内科医の育成が急務であり、教育ができる指導医の養成も同じように重要になります。そのため、当科では後期研修医に単に教育を施すだけではなく、「教える」方法についても指導を行っています。後輩を指導することで自分が理解できていないことがわかり、それがまた更なる学びに繋がります。当科はこの“教えることからも学ぶ姿勢”も大事にしています。当科の学生見学は多く、当院の初期研修医が選ぶベスト教育診療科も8年連続で受賞しています。

幅広い疾患の患者さんが診療対象
大人のかかりつけ医が総合内科です。緊急手術・手技を必要としない入院治療が必要な患者が対象で、外来では患者のかかえる様々な問題(疾患・病気・相談等)に対応します。頻度が多い疾患も稀な疾患の患者も診療し、必要であれば各専門科にコンサルトし患者のニーズに応えます。肺炎・尿路感染症・蜂窩織炎をはじめ、日本紅斑熱、ツツガムシ病、感染性心内膜炎,COPD急性増悪、胆管炎、膵炎、上部消化管出血、虚血性腸炎、憩室炎、播種性帯状疱疹、糖尿病性ケトアシドーシスなど、幅広く多彩な疾患の患者が入院してきます。そのため、大学病院の高度に専門分化した環境では学ぶことのできない判断力、対応力が必要になります。内科の基本的なマネジメントに加えて多種多様な状況に対応するためのこの総合力をこの3年間で習得します。3年間の研修中に実際に総合内科医がどれだけ幅広い患者に貢献することができるのかということを実感することでしょう。

到達目標は世界標準の内科医
3年間のプログラム終了後の到達目標は米国内科専門医とほぼ同等の知識・技能に加え、日本で活躍するのに必要な知識・技能・プロ意識を持った内科医です。

スタッフ人数

5名

総合内科専攻医の人数

10名
他病院からの研修 1名

当直

病院の内科当直(救急外来の内科系Walk-in患者の診療) 月1-3回
当科の当直(病棟からのコール対応、新規入院) 月5-6回

診療科独自の病床数

約60-70床(定床制度ではない)

勉強会やカンファレンスの開催曜日・時間とその概要

総合内科の週間スケジュールを以下に示します。

7:30~ グラム
染色道場
当直対応
8:15~ 症例カンファレンス
9:15~12:00 病棟業務
(午前外来 9:00~)
13:00~ 病棟業務
(午後外来 14:00~)
当直対応
18:00~ 当直対応

カンファレンスのなかで主なものを説明すると
○症例カンファ:全員の前で新入院の患者のプレゼンテーションを行い、その症例の診断・治療などについて議論を行います。そして、症例のティーチングポイントについてミニレクチャーを行います。
○外来レビュー:後期研修医の外来症例を指導医がレビューをし、指導医からフィードバックを得ます。
○多職種カンファ:当科患者について薬剤師、リハビリ科医師、東洋医学診療科医師、看護師・リハビリスタッフ・栄養士・ソーシャルワーカーを交えてチーム医療ができるようにするカンファレンス
○Journal club:診療に必要なエビデンスの批判的吟味の方法を学びます。
○ビジネスミーティング:当科の後期研修プログラムの方針を皆で話しあう会議、2週に1回程度
○グラム染色道場:感染症科の細川直登先生によるグラム染色講座
○カイゼンカンファ:過去の経験から医療の質を改善するためのカンファレス
○放射線カンファ:月1回、放射線科指導医による読影指導
○緩和ケアカンファ: 終末期の患者のケアについて学ぶ。

年に1回2日間の外来診療に出る前に、外来でよく見る疾患を中心に12コマの外来診療セミナーがあります。

具体的な研修内容紹介

  • ベースキャンプは総合内科となり、ここで屋根瓦方式をとり、初期研修医を教育しつつ、一方で、指導医の教育を受けます。
  • 卒前、卒後初期研修では十分に受けられない感染症教育を提供します。基本的な感染症マネジメントは総合内科で習得し、その他の比較的高度な感染症マネジメントは感染症科をローテートして研修します。
  • 各モジュールのクリアを目標とします。
    1. 診断:内科医の肝は正しい診断にあります。問診の取り方、診察法、診断学的EBM の活用、各検査の過不足ないオーダーと正しい解釈、検査前カウンセリングや告知などの技法を学びます。加えて、感染症に必須なグラム染色をマスターします。
    2. 治療:エビデンスに基づいた世界標準の治療の原則・実践を学びます。特にアウトカムの設定や退院時までのクリニカルパスの導き方を学びます。日本独自の検査・治療にこだわらず、必要であれば海外の文献を引用して私たちにできる最善の医療を患者に提供することが目標です。
    3. 教育:教育の受け方、教育の提供の仕方、生涯にわたり学ぶためのノウハウを学びます。チームの作り方、モチベーションの維持・高揚の方法も学びます。
    4. コミュニケーション・倫理:現場では時に答えの見えない問題にぶつかることもあります。このような患者の抱える複雑な問題については総合内科全体で議論します。終末期に関連することであれば緩和ケアカンファレンスで、それ以外の担当患者の抱える複雑な問題については昼カンファで取り上げて私たちに今できることを探します。このように実際の症例を通じてきれい事でない実践的な倫理学を学びます。コメディカルとのコミュニケーション、患者に悪い(よい)ニュースを伝える方法(ムンテラ)も実践的に学びます。
    コース内容として、総合内科16ヶ月、安房地域医療センターもしくは亀田森の里病院の院外研修6ヶ月(後期研修1、2年目に3ヶ月ずつ)、他科ローテ―ション14ヶ月のコースです。その他、週2回の定期的な総合内科外来、月1-2回の内科当直、内科救急指導などが必須です。
    安房地域医療センター:https://www.awairyo.jp/
    亀田森の里病院:https://medical.kameda.com/morinosato/
  • 安房地域医療センターは当院から車で45分ほどの距離に位置する館山で唯一の急性期病院です。中規模[149床]で他診療科の入院病床が少なく総診に多彩な疾患の患者さんが入院し、ジェネラリストが力を発揮できる場であり、より一般病院に近い環境で質の高い診療を「実践」する場となります。
    他科ローテーションは内科各科(循環器、呼吸器、神経、消化器、糖尿病内分泌、膠原病、腫瘍、腎臓、感染症)、東洋医学診療科、疼痛・緩和ケア科をローテーションすることができます。

研修修了後の主な進路

当科には総合内科医志望の後期研修医だけではなく、卒後のキャリアとして内科系専門医を考えている後期研修医も多く所属しています。当科のプログラムは総合内科専門医のため、というわけではなく総合内科医師の基礎づくりのためのプログラム、という視点で作り上げました。そのため総合内科医志望の後期研修医だけではなく内科系専門医へ進みたいがその前に内科の基本をしっかり学びたいという後期研修医の方々にもお勧めできる内容となっておりますので、興味のある方はぜひ一度見学にいらしてください。

卒後の進路
当院 消化器内科、脳神経内科、糖尿病内分泌内科、救命救急科、膠原病科、他院 内分泌内科、大学病院膠原病科、市中病院消化器内科 など

その他

病院

  • 電子カルテを使用しているので、端末があれば院内どこでも患者情報にアクセス可能。後期研修医以上は1人1端末貸してくれます。
  • 当院ではUpToDate, Dynamed, Clinical Keyなど様々な文献データベースを利用することができます。
  • 診療科が30科以上あります。
    診療部門も含めた医療サービス全般にわたる ISO9001 の取得の認証や医療機能評価機構(:一般500床以上の認定も受けています。)
  • 国内初の JCI(国際的医療認証機構 Joint Commission International(JCI)審査)取得病院でもあります。
  • 研修医に対するレクチャーが多数あります。
  • リハビリスタッフ、ソーシャルワーカーは多数おり、患者のケアについていろいろな視点から議論できます。
  • クラブ活動があります(フットサル、ボクシング、バレーボール、バスケットボール、野球、スキューバダイビング、サイクリング、剣道など)
  • 院内にローソン、タリーズコーヒー、パン屋さん、スープ屋さんがあります。
  • 最上階に霊安室があります。天国に一番近い。
  • 「日本でいちばん大切にしたい会社2」に掲載されています。
  • 院内にレストランがあり、鉄板焼が食べられます。 https://r.gnavi.co.jp/5fs8zmjt0000/
  • 社宅は多数有り、社宅の駐車場は無料です。
  • 保育所あり。小さいお子さんがいても大丈夫です。
  • 若手医師やコメディカルが多いので育児などの相談ができます。
  • 東京駅八重洲口から当院の前までバスがあります。
  • 初期研修医のモチベーションも高く、教育しようとすることで自分も学ぶ機会が多数あります。

土地

  • 季節を感じる旬な魚、山菜があり、おいしい。
  • 季節ごとの観光スポット。花摘み、イチゴ狩り、潮干狩り、温泉
  • マリンスポーツ(サーフィン、スキューバダイビング)が盛ん。
  • 鴨川シーワールドが近いです。(年間フリーパスもあります)
  • 車ならアクアラインを利用して羽田空港まで約1時間20分、東京まで1時間半で行くことができます。

短期研修プログラム概要

3ヶ月以上であれば宿泊施設が無料で提供できます。(要相談)

日本で最も充実した総合内科プログラムの1つとして知られる当科の良さを実感して頂くのには、実際に研修して頂くのが一番です。そのために、当科では短期研修生を受け入れております。総合内科の研修を他病院で受けているが亀田でも研修したい方、感染症科などの内科サブスペシャリティー専門研修に入る前にジェネラルな研修を体験したい方など、様々なリクエストに応じることができます。このプログラムでは傍観者としての見学ではなく、屋根瓦方式のチームの中で実際に患者を担当して頂き、上級医の指導の下で診療しながら学ぶことを体感していただきます。卒後3年目以上の経験を積んだ医師が対象です。「なんとなく」ではなく、「根拠のある」内科マネジメントを経験することが出来ます。今までに、神戸大学感染症科、春日部市立病院、名古屋記念病院、順天堂大学、日本大学板橋病院、自治医大等からの先生等が当科の研修を修了されています。無給ですが、病院と交渉して3ヶ月以上の研修であれば宿舎は無償で提供します。短期研修修了時には修了証も贈呈しております。 短期研修を希望される方は、sato.akiyukiアットマーク(@に変えてください)kameda.jp 迄ご連絡下さい。お待ちしております。

住所・連絡先
〒296-8602 千葉県鴨川市東町929:亀田総合病院
〒296-0041 千葉県鴨川市東町1344:亀田クリニック
https://www.kameda.com/

指導医名・記載者名

部長/クリニック副院長:佐藤 暁幸(さとう あきゆき)
日本内科学会認定総合内科専門医
日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医・指導医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医・特任指導医
臨床研修指導医講習会修了

部長:野木 真将(のぎ まさゆき)
米国総合内科専門医(American Board of Internal Medicine;ABIM)
総合内科病棟診療,医学教育修士課程修了

部長代理:吉田 明人 (よしだ あきひと)
日本内科学会認定内科医
日本内科学会総合内科専門医
日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医
米国公衆衛生学修士(MPH)
米国健康科学修士(MHS)
臨床研修指導医講習会修了
緩和ケア研修会修了

医員:江口 忠志(えぐち ただし)
日本内科学会認定 内科医・専門医
日本病院総合診療医学会 病院総合診療医・特任指導医
日本プライマリ・ケア連合学会 認定医・家庭医療専門医・指導医
日本在宅医療連合学会 在宅医療認定専門医・指導医
日本内科学会認定JMECC修了
日本周産期・新生児医学会認定申請時蘇生法「専門」コース修了

フェロー:靑木 一晃(あおき かずあき)
日本内科学会内科専門医
緩和ケア研修会修了