職場について高度臨床専門職センター

高度臨床専門職センター(Advanced Clinical Specialist Center: ACSC)は、医療現場におけるタスク・シフティング(業務移管)とタスク・シェア(業務の共同化)の中核を担う、2020年10月に開設された比較的新しい部門です。ACSCは、より質の高い医療を安全かつタイムリーに提供することを使命とし、患者さま、ご家族、そして地域社会に貢献することを目指しています。

ACSCのスタッフは、診療看護師、特定行為看護師、周麻酔期看護師、周麻酔期臨床工学士、認定看護師、フィジシャンアシスタントなど、専門性の高いメンバーで構成されており、それぞれが高度な臨床知識と技術を活かして活動しています。私たちは診療部門のチームと密接に連携し、患者さま一人ひとりのニーズに応じた最適な医療を提供するために、院内を横断的に活動しています。
また、チームのパフォーマンス向上や臨床実践能力の強化、専門分野での教育・研究活動にも注力しています。こうした取り組みを通じて、継続的に成長し、医療の質をさらに高めながら、柔軟な対応力と未来志向の姿勢で新たな価値を創造し、地域医療の未来を切り拓く存在であり続けることを目標としています。
ACSCは、すべての患者さまが安心して医療を受けられる環境づくりに貢献するとともに、安全で質の高い医療の可能性を広げるため、さらなる飛躍を目指して挑戦を重ねていきます。

診療看護師

診療看護師(NP:Nurse Practitioner)とは
診療看護師(NP)は、日本NP教育大学院協議会が認める NP 教育課程を修了しNP資格認定試験に合格した者で、患者の QOL向上のために医師や多職種と連携・協働し、倫理的かつ科学的根拠に基づき一定レベルの診療を行うことができる看護師とされています。
通常の看護師経験を経たあとに大学院で専門的な研修・教育を受け、急性期・慢性期のみならず在宅医療やへき地、離島など幅広く活躍しています。
2025年4月1日現在、日本には診療看護師(NP)が984人認定されています。
当院の診療看護師(NP)のはたらき
現在、亀田総合病院には7人の診療看護師(NP)が在籍しています。
在宅診療科、腎臓内科、集中治療科、総合内科、麻酔科、救命救急科に配属し、診察・治療や処方の補助、急変時対応や退院支援など、多岐にわたる業務を通して、患者さん一人ひとりに寄り添い、切れ目のない医療の提供に貢献します。
看護師として医学的な視点を持ち、患者さんが質の高い医療を受けられるように、また医療スタッフが円滑に医療を提供できるよう支援しています。

麻酔専従看護師・臨床工学技士

当院における麻酔専従看護師・周麻酔期看護師および周麻酔期CE(臨床工学技士)は、周麻酔期に特化した知識と技術を有する院内認定資格者であり、麻酔科医と緊密に連携しながら、術前から術後までの麻酔管理を支えています。
麻酔に関する専門的理解を基盤とし、高次気道確保、呼吸・循環管理、疼痛および鎮静管理といった、麻酔業務補助に必要な高度な知識と技能を習得しています。緊急時には救命処置も含めた迅速な対応を行い、安全かつ安心な麻酔提供に寄与しています。
また、多職種で構成される周術期管理チームの一員としての能力も備えており、周術期管理チームテストに合格し、所定の認定資格を有している点も大きな強みです。
▶IFNA認定・特定行為研修を含む教育プログラム

当院の麻酔専従看護師プログラムは、国際麻酔看護連盟(IFNA: International Federation of Nurse Anesthetists)によるLevel 1認定プログラムです。
▶IFNA Accreditation Program

また、当院の周麻酔期看護師研修プログラムには、厚生労働省指定の特定行為研修の受講も含まれており、実践力の向上と資格取得を同時に目指すことが可能です。
麻酔専従看護師および周麻酔期CEは、患者一人ひとりの安心と安全を守る存在として、麻酔科医と共に最善の医療を提供し続けています。高度な知識と技術、そして周術期管理チームメンバーとしての専門性と国際認定を受けた教育背景に裏打ちされたチーム力で、これからも質の高い周麻酔期医療の実現に努めてまいります。

スポーツ医学科フィジシャンアシスタント

フィジシャンアシスタント(PA:Physician Assistant )の役割
当院のPAは、医師が医療行為に専念できるよう、医師業務全般をサポートする院内スタッフです。当院のPAは米国などの海外の資格とは異なり、看護師が行っています。
医師の指示のもと、看護師資格の範囲内で診療の補助を行うほか、患者さまへのきめ細やかなサポート、医師・看護師・リハビリスタッフとの円滑な連携を通じて、安全で効果的なスポーツ医療の実践を支えています。当院では2010年度からPA制度を導入し、現在5名のPAが活躍しています。
スポーツ医学科におけるPAの業務
スポーツ医学科では、スポーツや日常生活で生じる整形外科疾患の診療を専門としており、PAは外来、手術、病棟など、さまざまな場面で医師と共に患者さまの治療をサポートしています。医師の指示に基づき、PAは多岐にわたる業務を担います。業務の一例が下記となります。
  • 外来:カルテの代行記載、手術の日程調整や補足説明、手術機器業者への物品手配など
  • 手術室:手術のセッティングや介助
  • 病棟:医師の回診サポート、退院・転院調整、他部門連携、他院への紹介支援など
また、臨床業務以外にも、臨床研究の支援や研修医・他職種向けの勉強会開催など、幅広く活動しています。

 
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