東洋医学診療科研修プログラム
定員:若干名
プログラム詳細
東洋医学は人間を俯瞰的総体的に把握しようとする視点を特徴とし、現代医学とは相補関係にあります。心と身体を分離せず「心身一如」を旨とする東洋医学の修得は、日常診療で患者さんのQuality of Lifeの改善に大いに役立つのみでなく、診療者自身をも大いに助けることでしょう。
ただし、現代の臨床現場に於いて適切に東洋医学を運用するためには、一定レベルの現代医学の診療能力、少なくとも基本的な器質的異常の有無を診断し、適切に対処できる能力を修得している事が求められます。また、ある程度の現代医学の習得を経て初めて現代に於ける東洋医学の意味が理解できることでしょうから、一定以上の臨床経験をお持ちの先生を歓迎いたします。
期間は1ヶ月から可能で、他科での実習中の短期研修を積極的に受け入れています。
当科の研修は、外来での実践的な診療研修が主体となり、日本東洋医学会指導医のもと、期間により豊富な東洋医学の臨床経験をつむことができます。
主な研修項目は以下の通り。
- 漢方の基礎理論の理解と運用(気血水理論、六病位論)
- 漢方の診察法の修得(問診、脈診、舌診、腹診)
- 漢方独特の診断(証)を行い、東洋医学的に治療方針を構築する能力の習得
- 生薬の管理と煎じ薬の実践
東洋医学の門戸は意外に広いのですが、しっかり習熟するにはある程度以上の実践と経験が必要です。当科での短期研修では、現代の病院診療で東洋医学が果たせる役割を理解し、実践できる様になる、そのための基礎を学んでもらいます。
必ずしも東洋医学の専門家にならなくとも、今後の診療の幅を大きく拡げることが出きます。例えば不定愁訴(MUS)を呈する患者さんは臨床現場では大変多く、今後も増加の一途をたどると考えられます。しかしこれら症例の少なからぬ割合で東洋医学的には原因を見出すことができ、有効に対処することが可能です。
人間をミクロとマクロの両面から掌握できるようになることは、研修者の医師としてのこれからの人生に実りをもたらす事でしょう。