乳腺外科専門研修
定員:若干名
プログラム詳細
診療科の紹介
当科は15年以上前より乳腺外科を標榜していました。5年前に画像診断、手術、化学療法などを統合して診療するため、本邦ではじめての呼称と思いますが乳腺センターとして再スタートをきりました。しかしこの5年間で乳腺診療を取り巻く環境は大きく変わり、乳腺外科医は乳腺手術が確実にできることを基本とし、画像診断、化学療法などはそれぞれ専門医に任せるという分業化の流れがでてきました。 乳腺画像専門医、乳癌検診専門医、腫瘍内科医、小線源治療を含めいろいろな選択枝を提供する放射線治療医、乳腺内視鏡手術、非切除を目指すアブレーション療法など多くの局所療法選択枝を提供する乳腺外科医など、それぞれの専門性の高い医師がそろう乳腺センターが最先端の乳腺診療を行うには不可欠になりつつあります。
しかし専門化に伴い教育の面からは、個々の医師は乳腺疾患全体像が把握できない、分業化された領域しか診療できないといった問題が生じてきます。そこで乳腺診療の統合化・専門化をさらにすすめるため、2006年4月に一般外科から正式に独立し、さらに科として乳腺外科医だけでなく放射線専門医や乳癌検診専門医などを擁する乳腺科になりました。乳腺科として乳腺に関わる健康とすべての病気に関わり、また個々の医師も高い専門性を保ちながら、乳腺診療に関する幅広い知識を持つことを目標としています。また、われわれが世界に先駆け開発した乳腺内視鏡手術、昨年より開始した乳腺凍結療法以外にも乳腺に関わる多 くの分野で先端診療に取り組んでいます。
プログラム年数
5年
後期研修プログラム概要
- 後期研修プログラム4年目で日本外科学会認定専門医取得、5年目に乳腺認定医取得を目標とする。研修プログラム終了時に日本乳癌学会認定乳腺専門医受験資格取得も目標。
- 各領域専門医(乳腺外科、乳腺画像、乳癌検診など)が関わる広範囲な乳腺科研修を3年間行う。
- 最低6ヶ月の一般外科研修を除き研修期間のうち2年間は、婦人科、放射線診断、腫瘍内科、緩和医療、病理などへのローテーションが可能。海外短期留学も可能。
乳腺後期研修プログラムの使命
- 乳腺各領域の専門医から先端の診療技術・知識を習得する
- 病理、婦人科、緩和ケア、腫瘍内科など乳腺外科以外の研修の機会を提供する
- 各領域の知識習得を通じて、外科的アプローチだけでなく乳腺疾患に悩む人たちに全人的に関われる医師育成を目標とする。したがって希望により乳腺科研修終了後 乳腺外科のみならず乳腺画像、乳癌検診、乳癌腫瘍内科専門医、乳腺美容など他乳腺関連領域への転身も可能である。
週間予定表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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8:00~9:00 | 抄読会 | Tumor Board カンファ | 医局カンファ (morbidityなど) | |||
午前 | STMTM* | 手術、生検 | 手術、STMTM | 乳腺ペイン (第1のみ) |
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午後 | 手術、生検 | 手術、生検 | 手術 | 手術 セカンドオピニオン外来 |
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18:00~ | 術前カンファ | 部長回診 | DCISカンファ (第2木) CPC (第4木) |
術後回診 |
外来は毎日 午前・午後行う 土曜日午前は医師交替制で外来
乳腺科の概要・特徴
- 乳癌検診、画像診断、生検、手術、乳房再建、放射線治療、化学療法、ケア、緩和ケアすべてを専門医と相談しながら乳腺科で行う
- マンモグラフィ施行件数は年間約1万件、乳房MR施行件数約年2,500件
- 生検は主としてエコーガイド下マンモトームで行う。適宜、腺葉切除、腫瘤切除を行う
- エコー下、STMTMをあわせ年間マンモトーム施行件数は400件程度
- 乳癌手術件数は約350件/年 内視鏡手術はその80%以上 温存術はその70%
- 鏡視下2期的乳房再建術なども積極的に乳腺科で行う
- 線維腺腫、小乳癌に対するVisicaシステムを用いた凍結療法(ablation)を開始
- 外来化学療法は幕張を含め週70-80件施行
- 乳腺科所属放射線診断医参加による術前カンファなどのカンファレンス充実
- tumor boardカンファにより腫瘍内科医、放射線治療医と合同で治療方針決定
- 外国人医師を含め外部講師による講演会を年3-5回開催
- 精度中央管理委員会と共催でマンモグラフィ読影講習会を鴨川で開催
乳腺科後期研修医ローテーションの実例
5年間のプログラム(3年間乳腺科 2年間他科ローテーション)
○○医師:卒後3年目 2006年4月より在籍
2006年度 | 2007年度 | 2008年度 | 2009年度 | 2010年度 | |
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4月-9月 | 乳腺科 | 一般外科 | 心臓外科 乳腺科 |
放射線科 腫瘍内科 |
乳腺科 |
10月-3月 | 乳腺科 | 一般外科 | 乳腺科 | 腫瘍内科 病理 |
乳腺科 |
*STMTM:ステレオ下マンモトーム
2006年度 精度中央管理委員会認定マンモグラフィ読影資格取得
2009年度 日本外科学会認定外科専門医取得を目指す
2010年度 日本乳癌学会認定乳腺認定医取得を目指す
その他:2006年度に全国規模学会での口演発表を行った 今後も継続
英国、米国に関連施設あり、国外留学可能
業績:多くの論文、国内外発表、国内外講演あり 市民フォーラムなど主催