糖尿病内分泌内科専門医研修プログラム

  1. TOP
  2. 研修
  3. 専門研修
  4. 専門研修プログラム
  5. 糖尿病内分泌内科専門医研修プログラム

定員:若干名

プログラム詳細

診療科の紹介

近年の糖尿病患者の急増に伴い、糖尿病専門医の需要は益々高まっており糖尿病専門医の育成は社会的に急務の課題です。当科では糖尿病診療に関する基本的な内服薬、インスリン治療などの診療能力はもちろん、冠動脈バイパス術、弁置換術などの心臓血管外科症例も豊富で術後の劇的な血糖変動に対応するため、心臓血管外科手術症例を中心にインスリンポンプ療法での血糖管理を行っています。その他の手術症例も多く、状況に合わせた周術期の血糖管理や化学療法時のステロイド投与に対するインスリン治療など幅広い知識・経験を習得することが可能です。また、CGM(持続血糖モニタリング)を用いた日内血糖変動を評価し、内服薬、インスリンの種類や投与量についての調整も行っています。
内分泌疾患は多系統にわたるため、幅広い知識と経験が必要となります。当院では症例数も豊富であり、少数臓器に偏ることなく幅広く学ぶことができます。甲状腺疾患、間脳・下垂体疾患、副腎疾患、膵内分泌腫瘍など多岐にわたり、また、多腺性内分泌腫瘍症(MEN)、Von Hippel Lindau病などの遺伝性内分泌疾患を経験することも可能です。臨床の場で頻度の高いバセドウ病に対し薬物療法、手術療法および外来でのアイソトープ治療を行っています。甲状腺の機能的疾患の他に、外来患者、入院患者の甲状腺エコーの読影および甲状腺結節性病変に対し、エコー下細胞診を行っています。当院でのエコー下細胞診は穿刺ガイドを使用しないフリーハンドで行っており、穿刺ガイド下ではアプローチの困難な様々な病巣およびリンパ節からの検体採取が可能であり、この手技を習得することができます。目標とする医師像は内分泌・代謝に幅広く知識と経験をもち、専門とする疾患はもとより他科の医師が診療中に遭遇する諸問題に対し、その知識を駆使し病態生理へのアプローチが可能な医師の育成を目指しています。

プログラム年数

研修期間は原則として3年間のプログラムで、希望により他科ローテーションとしています。なお研修期間、他科ローテーションに関しては適時相談に応じています。

応募資格

医師法第16条の2に定める臨床研修を修了、もしくは修了見込みで内分泌代謝疾患に興味がある方

専門医について

糖尿病学会、内分泌学会専門医の認定申請には認定内科医の研修過程修了後から3年間の専門研修が必要です。初期研修修了直後から後期研修を開始した場合、専門医申請のためには3年間のプログラムに加え、さらに1年間認定教育施設での研修が必要となります。詳細は各学会のホームページなどでご確認ください。

後期研修プログラム概要

内分泌代謝疾患の専門医として責任を持って診療できるために必要な技能を身につけ、糖尿病専門医、内分泌専門医資格の取得を目指す。研修を通じて経験した興味ある症例や臨床研究につき学会、研究会、医学誌などで報告する。

【目標および研修内容】

1年目:内分泌代謝疾患の基本的事項の習得を主な目的とする。病棟での勤務を主体とし、週1回から2回程度の専門外来を指導医のもと研修する。
(内分泌疾患)各種ホルモンの基本的な作用、負荷試験の原理、方法につき学び、検査結果の解釈を行えるようにする。各種内分泌疾患の身体所見、検査成績、負荷試験選択と施行およびその検査結果の評価、画像診断の選択とその評価方法を学び、診断確定後の治療法について学ぶ。甲状腺エコー下細胞診につき、指導医のもと施行する。外来にて基本的な内分泌疾患につき経験し、指導医とともに診断方法、治療方針につき決定する。
(糖尿病代謝疾患)適切な病歴の聴取および合併症の有無の理学的所見の取り方を習得する。病型分類および糖代謝異常の病態分類(インスリン分泌能、インスリン抵抗性)が行えるようにする。病態および臓器障害、合併症の有無、社会背景に応じた治療の選択(食事療法、経口糖尿病薬、インクレチン関連薬、インスリン治療等)およびその効果につき経験し習得に勉める。糖尿病診療は医師、看護士、管理栄養士、理学療法士などの複数のスタッフによるチーム医療であることを経験しその重要性につき理解する。

2年目:内分泌代謝疾患の基本的事項に加え、病態の複雑な症例についてその知識の整理と新たな知識、経験を習得しながら応用する技能を身につける。
外来診療を週2回程度行い、病棟診療に関しては研修医の指導含め行う。
(内分泌疾患)診断のための負荷試験や画像診断の手順につき自ら決定し、その結果の評価を行う。負荷試験の選択およびその手技につき下級研修医に指導を行う。診断確定後の治療方針について決定する能力を身につける。甲状腺エコー下細胞診を指導医のもと引き続き行う。週2回程度の専門外来を行い、自らの判断で診断、治療が行えるようにする。症例によっては引き続き指導医の指導のもとに治療方針を決定する。
(糖尿病代謝疾患)自科入院患者および他科入院患者のコンサルテーションについて下級研修医の指導にあたり、検査・治療方針を自ら決定する。糖尿病教室の講師として患者教育にあたり、チーム医療の1員として診療にあたる。専門外来にて妊娠糖尿病、1型糖尿病などの症例についての診療を経験しその技能を習得する。

3年目:最新の知見を自己収集し、それを応用できる能力を身につける。診療の中心としての役割が果たせるようなコメディカルスタッフとの信頼関係を築く能力を身につける。
(内分泌疾患)疾患の基本的な知識・経験のみならず論文などで内分泌のアップデートな知識を取り入れつつ内分泌の幅広い知識を身につける。病棟からの内分泌代謝疾患のコンサルトにつき適切に対応できる技能を身につける。専門外来を週2回から3回程度行い、単独で診断、治療方針を決定出来るようになることを目指す。甲状腺細胞診については単独で施行できるようになること、および研修医への指導が行えるようになること。内分泌腫瘍についての適切な治療法につき選択できるようになること。バセドウ病に対しての適切な治療の選択(抗甲状腺剤、無機ヨード剤、手術、RI治療)とその治療が行えるようになること等を目標とする。
(糖尿病代謝疾患)糖尿病代謝疾患についての最新の研究論文などを通じて知識を蓄積し日常診療に応用する能力を身につける。研修医および病棟スタッフにレクチャーなどを通じて教育を行いながらチーム医療の中心としての役割を果たせるような技能を身につける。
小児糖尿病症例を経験し、両親、学校を含めた糖尿病診療についての知識、技能を身につける。

修了後の進路

スタッフとして亀田メディカルセンターに残り、更なる研修を積み指導医等を目指す。 出身大学または興味のある研究、臨床を行っている大学、医療機関などで、研究、診療に従事する。病院、診療所で専門医として診療に従事するなど、各自の思い描くキャリアパスに対応します。