(亀田ファミリークリニック館山が基幹施設)

定員:6名(診療所重点コース4名、病院重点コース2名)

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プログラム基本情報

当院は北条海岸に面した南房総のリゾート・館山に位置する“大規模”無床診療所です(診察室15室)。全国随一の幅広い診療領域と規模を誇り、透析・リハビリセンター及び、訪問看護・ヘルパーステーションなどが併設されています。15年以上にわたり45名のプログラム修了生を輩出した実績と歴史があります。

診療範囲は外来のみならず、病棟、在宅、透析、妊婦検診・婦人科診療、各種健診、スポーツ医学、思春期・発達障害診療など多方面に及び、多職種連携も盛んなため、応用の効く、実力ある家庭医・総合診療医を目指すには、まさに理想の環境です。

2013年度からは4年制としています。レベルの高い家庭医・総合診療医育成が目標であること、また指導医養成(フェローシップ)を視野においた研修を4年目にとりいれるためです(専門医受験も4年目在籍中にしっかりサポート)。

医局員は総勢22名で、勉強会を分担・シェアすることで、継続的な生涯学習が実現できています。週1のポートフォリオ勉強会は、どのプログラムにも負けない礎を築く機会となっています。その他楽しいイベントも満載!たくさんの研修医と指導医が、あなたのかけがえのない仲間・先輩となることを必ずや保証します。

プログラム責任者からのメッセージ

圧倒的臨床力と診療領域の広さ、そして仲間の存在
亀田家庭医総合診療専門医プログラム プログラムディレクター 岩間 秀幸

私たちの総合診療研修プログラムに興味を持っていただき、ありがとうございます。
数ある総合診療医育成プログラムの中から、どのようにプログラムを選べば良いでしょうか。選ぶ上で3つのおすすめしたいポイントがあります。

1)仲間の存在は大切です。毎日の医療を過不足なく安全に提供するという目的だけで、我々の業界は十分厳しく、プレッシャーも大きいです。それ以外の同僚・上司からのストレスは一切不要です。亀田家庭医の仲が良い、一緒に学べる環境は、あまり他では得られません。

2)診療範囲を狭めることはいつでもできますが、後から広げるのは大変です。亀田家庭医では、総合診療医の本分である「診療領域の広さ」にこだわっています。診療範囲を狭めることはいつでもできますが、後から広げるのは意外と大変です。多少無理がきくうちに、自分への投資をしておきましょう。亀田家庭医の修了生は離島~都市部、少人数~大人数、診療所から大病院、大学での教育、研究、海外(南極を含む)、小児、女性診療、ヘルスプロモーション、被災地・難民支援など様々な表現形態に分化しています。

3)直感を大切にしましょう!学びのスタイルは様々で、全ての人の学習スタイルにフィットする研修を提供できるプログラムはありません。あなたにとって、何が譲れて、譲れないかを見つめてみてください。亀田家庭医が重視するのは「多様性」と「シナジー」です。様々な背景を持った指導医と専攻医が創り出す雰囲気にピピッと来たなら是非飛び込んできてください。見学も大歓迎です。

プログラム詳細


プログラムPDF

当院の修了生は、診療所院長、病院総合医、大学教員、他の専門領域(小児、産婦、整形など)を極める人など多彩で、活躍の場も離島、南極、海外など多方面にわたります。
どんな場にいっても適応できる、その基盤となるのが当院の研修内容です。家庭医のコアコンピテンシーと言われる能力は、日常の診療、勉強会で問題なく学べます。家庭医外来は、小児も多く、精神・整形・皮膚・婦人科などあらゆる主訴の方が来院し、新生児から高齢者まで幅広い患者層に対応します。
ローテーションは、亀田総合病院・安房地域医療センター・さんむ医療センターを中心に内科、小児科、救急、訪問診療等の基礎を学び、多様な訴えに対応できるようになります。その結果、どんな将来像を描く先生でも、夢を実現できるベースを作ることができます。夢実現のため、カリキュラムの範囲内でスケジュール調整も可能です。なりたい自分になれるサポートが、ここには全てあります。

当院のローテーションスケジュール

当院は日本専門医機構総合診療専門医プログラムおよび日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門研修プログラムの認定を受けております。規定に沿ったローテーション(以下ローテ)組を行っており、ローテ先に関わらず週1日”ワンデイバック”を設け、4年間通じて当院で継続外来を続けています。

ローテーションスケジュール

(診療所主体の研修の場合)

(病院主体の研修の場合)

「総合診療専門研修I」(6ヶ月以上):亀田ファミリークリニック館山
「総合診療II」(6ヶ月以上):さんむ医療センター・鴨川国保病院・大網病院の中から1施設を選択し3ヶ月、残り3ヶ月以上を安房地域医療センター
「内科」(6ヶ月):腎臓内科、緩和ケア科を1ヶ月ずつ回り、残りの期間は亀田総合病院および安房地域医療センターの総合内科を含む各専門内科領域から4ヶ月を選択制としています。
「救急科」(3ヶ月)
安房地域医療センター(救急患者1500例/月)で1-3次救急を経験します。1-3年次に分けてローテすることで、継続性のあるスキルアップが可能です。
「その他」の当院独自ローテ
産婦人科、在宅診療部、スポーツ医学科など
当院の家庭医として診療を行うにあたり、上記のスキル獲得は必須となります。いずれも亀田総合病院での当該科ローテを終えた後に、当院で”デビュー月間”と称した1ヶ月間を経て独り立ちします。デビュー月間では、上級医がバックアップに入り、翌月から一人で診療できるようサポート・指導します。
産婦人科については、近隣の産院(ファミール産院)で1ヶ月追加研修でき、KFCTでも家庭医・産婦人科のダブルボードをもつ指導医が実践的に指導します。

ポイント①オリエンテーション・コアレクチャー(以下コアレク)

後期研修医1年目は4月に”コアレク週間”とよばれる約3週間を過ごします。外来診療に最低限必要な知識を得るため、新2年目以上~スタッフが分担・作成したレクチャーをひたすら受講します(表1)。後の外来診療では、プリセプターとの共通言語やガイドラインがあるため双方にとってメリットが非常に高いです。

表)コアレク内容
(毎年後期研修医がスタッフのサポートを元に単元の内容・数を調整する)

糖尿病、高血圧、脂質代謝異常症、急性上気道炎・中耳炎・胃腸炎、気管支喘息、うつ病、行動変容(禁煙外来含む)、アレルギー疾患、高齢者総合評価(認知症)、介護保険、整形領域(肩腰膝)、予防接種、発達障害、思春期患者の対応、家庭医療学総論、ヘルスメンテナンス、EBM/ガイドライン

ポイント②ポートフォリオ + 多彩な勉強会

10年以上にわたる歴史の中で生まれた勉強会は多岐にわたり豊富です。勉強会担当レジデントが皆の意見を反映させ洗練させてきた結果、現在の形となりました。今もなお毎年研修医の活発な発案により素晴らしい勉強会へと進化したり新しい会が開かれたりしています。

診療スキルアップの勉強会

  • ポートフォリオ勉強会(レジデントがポートフォリオをパワーポイントで発表)
  • AFPカンファレンス(疾患テーマ毎にレジデントが最新のエビデンスをまとめて発表)
  • スタッフレクチャー(岡田院長を始め、指導医が行う各分野にわたるレクチャー)
  • 入院症例カンファ(当院から他院へ入院になった患者をレビューし学びを深める)
  • 緩和ケアカンファ(亀田総合病院 疼痛・緩和ケア科・在宅医療部医師とテレビ電話で症例相談)
  • 透析カンファ(透析に関する勉強会、患者シェア 亀田総合病院の腎臓内科医がスーパーバイズ)
  • マタニティケアカンファ(当院通院中の妊産婦についての症例シェア+勉強)

多職種の勉強会

  • リハビリカンファ(リハビリをテーマとした多職種勉強会):月1回昼 医師+リハビリ
  • 多職種在宅カンファ(在宅患者に関する情報共有):月2回 医師、訪問看護師、訪問リハビリ、ケアマネ
    シェアカンファ:臨床倫理の4分割を用いて在宅患者一人について、多職種で情報共有する
    デスカンファ:亡くなった患者様を多職種で振り返る。グリーフカードを送付している。
  • 安房地域医療センターカンファ(当院から入院となった症例についてのSkypeを用いた情報共有)
  • 小児リハカンファ(発達障害児に関わる医師、養護・学校教諭、通所施設職員などの多職種カンファ)
  • 思春期勉強会(中学校養護教諭、心理カウンセラー、医師を交えた多職種勉強会)
  • サエラカンファ(当院院外薬局(サエラ)薬剤師との情報共有)
  • 安房医療ねっと(安房地域の医療・介護・福祉・行政の多職種が集まる勉強会)
  • generalist ARK(亀田総合病院総合内科、安房地域医療センター総合診療科、亀田ファミリークリニック館山家庭医診療科の地域の1次-3次医療を担う総合医が一堂に介して、それぞれの強みをいかした教育を提供。同じ魂をもった仲間と語りあえるのも大きな魅力)

数ある勉強会の中でも、専攻医・スタッフともに熱い思いが込められているのが、ポートフォリオ勉強会です。ポートフォリオになりそうなケースや事例を発表し、専攻医・指導医でディスカッションをします。信頼できる仲間だからこそ本音で語れる。泣いて、笑って、悩んで、葛藤して、知識・技術だけでない本物の亀田家庭医が作られます。岡田先生タイムと呼ばれる岡田院長の珠玉のアドバイスで、家庭医療の理論的基盤や様々な知見・学びが得られ、全国的にみても稀有な、非常に価値の高い勉強会であると考えます。

ポイント③ レジデントミーティング + レジデントデイ

2012年に専攻医の発案で始まった、月1回当院専攻医が”全員集合”する会です。後期研修1、2年目は他科・他院ローテーションが主で、家庭医としてのアイデンティティを喪失しやすい年代です。そのため、他科研修中でもこの日ばかりはレジデント全員が顔をあわせ、各自の学びや悩みを共有し、当科の今後としての方向性について語り合える時間となっています。

ここでは、主に研修先での学びやコツ、内部事情などを共有し、各科ローテーションサバイバルノートと称される共有ドキュメントを更新することで、次のローテーターへ引き継ぎを行います。それ以外にも研修医から新たな活動や勉強会の提起、指導医から専門医制度の進捗状況の共有、他科から当院へのローテーターの情報共有、年度末には新年度の役割分担など実に様々な議論を行う場となっています。

レジデントミーティング

2012年に専攻医の発案で始まった、月1回当院専攻医が”全員集合”する会です。後期研修1、2年目は他科・他院ローテーションが主で、家庭医としてのアイデンティティを喪失しやすい年代です。そのため、他科研修中でもこの日ばかりはレジデント全員が顔をあわせ、各自の学びや悩みを共有し、当科の今後としての方向性について語り合える時間となっています。
ここでは、主に研修先での学びやコツ、内部事情などを共有し、各科ローテーションサバイバルノートと称される共有ドキュメントを更新することで、次のローテーターへ引き継ぎを行います。それ以外にも研修医から新たな活動や勉強会の提起、指導医から専門医制度の進捗状況の共有、他科から当院へのローテーターの情報共有、年度末には新年度の役割分担など実に様々な議論を行う場となっています。

レジデントデイ

2015年からはさらに専攻医のための学びの日”レジデントデイ”を開催。
他科ローテ中は、レクチャーやポートフォリオ勉強会に参加できないという専攻医の声を反映させ、年3回土曜午後に業務免除して集います。
内容はポートフォリオ1例、外来ビデオレビュー、岡田院長の家庭医療コアレクチャーで、ホームで賑やかに学びます。

ポイント④ 院外研修

院外研修を3、4年目に各2週間ずつ設けています。プログラム終了後のキャリアプランを考えるためや、足りない科目を補強するため、国内外の研修環境を経験したりなど、各研修医の希望で自由に選択できます。