整形外科専門医研修プログラム

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定員:2名

プログラム基本情報

後期研修医(専攻医)は、“整形外科” に所属し、整形外科内の各診療班の一員となります。外傷班、脊椎班、手外科班、関節班、腫瘍班でほとんどの整形外科診療の研修をカバーできます。研修医の指導は日本整形外科学会認定の専門医で、学会の指導者講習を受けた指導医が教育を行います。幅広い整形外科の基本診療能力、高度の手術テクニックを4年間で習得することが可能です。

研修医対象の教育プログラム、臨床研究サポートも充実しており、専門医取得についても、新専門医制度に則って新しい経験症例管理システムで計画的に支援します。みなさんが研修に専念できるように、研修期間を通じて安定した身分(給与・保険など)も当然のことながら保証されています。

また整形外科はスポーツ医学科、リハビリテーション科、救命救急科とも連携を密にしており、希望によっては内科系のリウマチ診療の研修も受けることが可能です。温暖な南房総の地で、熱意ある指導医、向上心に溢れた同期と一緒に、腰を据えたチーム診療方式の研修で、整形外科医としての高みをめざしてみませんか。東京駅からバス1本、下車すれば目の前が病院です。お気軽に見学にお越しください。

プログラム責任者からのメッセージ

整形外科専門医研修プログラムを希望される皆さまへ
整形外科プログラム責任者 佐々木 真一

千葉県の南房総地域は、少子高齢化が進み、高齢化率は既に30%を超えています。亀田総合病院は、千葉県の南端に近い鴨川市というリゾート地の太平洋に面して立地している、南房総唯一の基幹病院です。亀田総合病院、亀田クリニック(患者数 約3000人/日)、亀田リハビリテーション病院の3事業所を中心としてメディカルセンターを形成しています。亀田メディカルセンター全体で職員総数約3000人(医師、歯科医師約450人)を抱え、急性期医療から在宅医療、更には介護、福祉に至る様々なヘルスケアサービスを提供しています。
南房総の唯一の基幹病院であるという背景からも、当院には数多くの重度四肢外傷が搬送されるため、整形外科外傷が数多く経験できます。さらに外傷のみならず、骨軟部腫瘍、脊椎、関節外科、手の外科などの専門分野の指導医もそろっており、整形外科慢性疾患の教育も充実しています。東京科学大学や東京歯科大学からの専攻医も受け入れており、若い先生がactiveに活躍できる環境を用意しています。研修医・専攻医を病院の宝として全スタッフで教え育てる、長年培われた教育文化のもと、私たちと一緒に骨太の医師を目指し、チャレンジする皆さんの応募をお待ちしています。

プログラム詳細

 

後期研修プログラム概要

後期研修期間は4年間である。日本整形外科学会の教育プログラムに準じて整形外科の研修を行う。当院には整形外科領域の疾患を扱う診療科としては整形外科以外にスポーツ医学科があり、各科の指導医とも連携をとって整形外科領域の研修内容を充実させる。
整形外科認定医として必要な臨床経験、知識、技術を修得する。前半は救急疾患を中心に全般的な整形外科疾患の治療にあたり、後半は整形外科的な慢性疾患を中心に、また興味のある専門分野についても研修して戴く。また、地域医療も当院で研修可能である。
年次別プログラムは次の通りである。

1)整形外科1年次

入院患者を約10名担当し、主治医の指導のもと、その疾患の診断・検査・手術を学ぶ。
整形外科外来は週1回、退院患者を中心に担当する。
救急疾患を中心に、主治医の指導のもと緊急処置・手術などを学ぶ。

【目標】
基本診察法、基本検査、画像診断、診療録記載などの習熟
入院患者リハビリテーション、患者の術前術後管理などの研修
四肢関節・体幹部などの機能解剖と運動器疾患の病態の理解
緊急処置と保存的治療(ギプス固定、牽引療法)の習熟

2)整形外科2年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来患者を全般的に診療。
救急疾患及び一般的な慢性疾患に対し、主治医の指導のもと手術などを実施する。

【目標】
一般的な整形外科疾患の診断と診療計画の確立
医療の社会的側面と社会保障制度の理解
リハビリテーションの正確な処方と実施
外科的手技の習熟(骨折手術、神経・腱の手術、脊椎手術、スポーツ整形外科や鏡視下手術の基本操作)

3)整形外科3年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来初診及び再診患者を診療。
一般的な慢性疾患に対し、主治医の指導のもと手術などを実施する。

【目標】
整形外科疾患の正確な診断と診療計画の確立
患者の主訴、希望に対しての適切な対処
装具療法の習熟
外科的手技の習熟(スポーツ医学全般、関節形成術、血管手術、複雑な骨折手術、人工関節手術、脊椎脊髄手術)

4)整形外科4年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来初診及び再診患者を診療。
慢性疾患を、主治医の指導のもと手術を実施する。
希望する整形外科専門分野・関連分野の研修。

【目標】
整形外科疾患の正確な診断と診療計画の確立
特殊病態に対する理解と対処
患者さまからの十分な信頼を得る事
専門分野での研修、脊椎脊髄外科での研修
外科的手技の習熟(脊椎脊髄疾患、関節形成術、血管手術、複雑な骨折手術)

『研修中に執刀する疾患及び手術の大略』
・整形外科1年次
新鮮創傷処置、骨折手術(一般的なもの)、皮膚移植術、筋腱靭帯手術
・整形外科2年次
骨折手術(比較的複雑なもの)、関節手術(関節鏡視下手術を含む)、四肢切断術、神経・腱の手術、脊椎脊髄手術
・整形外科3年次
骨折手術(複雑なもの)、関節形成術(人工関節手術を含む)、血管の手術(マイクロサ-ジャリーを含む)、良性骨軟部腫瘍、脊椎脊髄手術
・整形外科4年次
骨折手術(複雑なもの)、関節形成術(特殊な骨切り術を含む)、四肢長調節手術、悪性骨軟部腫瘍、脊椎脊髄手術

定期的カンファレンスとしては、リハビリカンファレンス、新患・術前カンファレンス、外来入院症例検討会、術後カンファレンス、英文誌抄読会など多数ある。
なお、4年間の研修期間中に毎年最低1回の学会発表と1編の臨床論文を発表することを目標とする。

後期研修コース例
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
1年次
基本的な知識と診断学、整形外科的処置、簡単な外傷手術の手技を広範囲に習得
2年次
多彩な外傷の対応、関節外科の基本的な手技の習得、骨関節の感染症、切離断と装具
3年次
人工関節・関節外科
手の外科・関節鏡手技の習得(スポーツ医学科にて)・地域医療
4年次
脊椎外科・骨軟部腫瘍
自主選択(救命救急・リウマチ・リハビリなど)

整形外科後期研修プログラムにおいてスポーツ医学科研修期間中にはスポーツ医学科外来と手術を中心とした研修をしていただき、すべての手術に助手として入っていただきます。また休日のチームドクター活動やメディカルチェック事業にも積極的に参加していただきます。

スポーツ医学科研修期間に習得可能な検査・手術手技

1.検査・処置
処置・検査
関節穿刺・関節内注射(膝関節、肩峰下滑液包、肩甲上腕関節、肘関節、距腿関節、距骨下関節、手関節、股関節)
関節造影(肩関節、手関節、股関節)
ガングリオン穿刺
超音波検査(膝、肩、肘、足、股関節、筋組織、腱付着部)

2.手術手技
半年から1年間の研修では膝・肩関節鏡の基本的な関節鏡視と簡単な膝関節鏡処置ができるようになっていただきます。
膝関節鏡(診断)、肩関節鏡(診断)
膝関節鏡視下滑膜切除術、膝関節鏡視下半月板切除術、膝関節鏡視下関節内遊離体摘出手術

後期研修医手術・執刀症例数

手術総数
執刀症例数
人工股関節
人工膝関節
脊椎
腫瘍
ハンド
外傷
その他
(抜釘、切断など)
研修医A 1165 536 42 13 7 14 40 293 127
研修医B 1083 529 33 14 33 44 67 273 65
研修医C 866 290 20 15 23 21 29 142 40
研修医D 1525 326 23 18 23 13 34 155 60
研修医E
(後期3年目終了時)
約800 556 15 2 19 9 84 349 78

後期研修医からのメッセージ

亀田総合病院での整形外科後期研修の魅力はなんと言ってもその圧倒的な症例数そしてそのバリエーションにあると思います。特に外傷症例に関しては軽度な切創から開放骨折まで、毎日多くの患者さんがクリニック、また救命救急センターを経て整形外科へ受診されます。その初期治療から携わり、必要に応じて手術、リハビリ、退院に至るまでを担当医として受け持ち、整形外科の基礎と言える外傷治療を徹底的に学ぶことができます。そして疑問があればいつでも相談できる指導医がおり、安心して研修に集中できる環境です。
私自身も指導医、上級医とチームを組んで一丸となり全力で患者さんの治療にあたることで日々、自分の成長を感じることができ、また助けられたり、助けたりしながらチーム医療の重要性を学ぶことができました。手術も自分が成長できればそれだけ、多くの症例を執刀させていただきました。
さらに、非常に多くの科をもつ総合病院という側面から他科からのコンサルトも多くあり、新生児から妊婦、透析患者、癌患者の整形外科的な治療を通じ稀な疾患も経験することができました。
人工関節を専門とした現在でも、専門以外の整形外科治療に携わることも多くあります。その時に、「何がきても大丈夫」と不安なく診療にあたることができる自信は、間違いなく亀田後期研修での圧倒的な症例数の経験で培われたものだと断言できます。鴨川という素晴らしい土地で、素晴らしい腕と情熱をもつ指導医たちのもと、ぜひ整形外科医としてのご自身の成長を実感してください。
2016年から2020年まで整形外科後期研修医として亀田総合病院で勤務しました。亀田総合病院の特徴として南房総最後の砦であることです。つまりここで受け入れできなければ患者さんが次に行く先はありません。その結果1次から3次まで幅広い救急患者さんが搬送されます。もちろん忙しいことはありますが、代わりに圧倒的な症例数を経験できます。ここまでの症例数、疾患のバリエーションを経験できる病院はそう多くはないと思います。また、外傷、手の外科、腫瘍、人工関節、脊椎とすべての分野で指導医の先生がいるおかげですべての分野を学ぶことができます。
中でも整形外科後期研修中に最も重要なのは四肢外傷を適切にマネージメント、執刀医として手術できることだと思います。通常多くの研修プログラムでは各病院を1−2年毎に移動しますが、当プログラムでは大半の研修期間を亀田総合病院で勤務するため外傷専門の指導医の元、一貫した外傷診療を学ぶことができます。これは後期研修終了後どの分野に進むにしても必須のスキルであり、私自身亀田総合病院で身につけた手術スキルを現在も活かせております。
百聞は一見にしかず。ぜひ一度亀田総合病院に見学に来て、この充実した研修を感じてください。
・整形外科を専攻した理由
初期研修開始時点では他科志望でしたが、整形外科ローテ中に治療によって機能のみでなくQOLまで向上させ、患者さんと喜びを共有している指導医の姿が魅力的に思ったのを覚えています。整形外科のサブスペシャリティーは多数あり、手術を極める働き方も外来をメインすることも可能で、自分の興味やライフイベントに応じて無数に働き方を選択できることも魅力に思い整形外科を専攻しました。

・当院での研修
市中病院でありながら幅広い疾患が経験できること、女性医師も含め先輩が生き生きと研修していたことから亀田での研修を選びました。体力や腕力が足りない時には助けてもらいつつ、信頼できる指導医のもと、同僚と切磋琢磨しながら有意義な研修を送ることができました。私は研修終盤に妊娠出産を経験しました。自分ではコントロールできない体調の変化がありましたが、業務内容や研修プログラムを適宜調整してもらえたので、最後まで満足のいく研修ができました。主任部長をはじめ困ったことを相談できる指導医や人事担当者がいることがとても心強かったです。亀田総合病院には保育施設が充実しており保活ストレスがゼロなのも安心ポイントです。
研修が終わった今、このプログラムを選んでよかったと思っています。気になった方にはぜひ一度見学へお越しいただいて、当院の魅力を知ってほしいです!
「術後患者さんのリハビリを、あなたの目で直接見ていますか?」
「骨折された方が、料亭の女将に復帰した様子をみたことがありますか?」

当科は房総半島の南端で、地域の中核病院として様々な整形疾患と向き合っている。
地域柄や病院の知名度から、整形外科研修では豊富な症例数を経験できる。
しかし、数だけではない。「自ら」診療に携わっているという主体性と責任感。これを培う土壌が、亀田にはある。

・もはや真っ只中の超高齢社会において、患者さんの生活をリアルにイメージしながらの診療計画
・それぞれの患者さんのその後を自らフォローする責任感
・その一つ一つを相談できる、フレンドリーで熟達した上司の面々
・頼りになる充実した他科コンサルト体制
・やる気溢れる研修医に、知識や技術をアウトプットして磨かれる確かな実力
・密に情報共有のできる活発なコメディカルの存在

当院では大学病院のような、最先端の基礎研究はできないかもしれない。
しかし、主体的かつ継続的に診療にあたることで育まれる整形外科医としての基礎力は卓抜したものがあると自負する。

因みに、当院は地理的には房総半島の最尖端である。海の幸は格別で、レジャーも充実しており、明日への活力を漲らせる。
論より証拠。是非、一度鴨川へ。
温暖な気候と、あたたかい人々が、あなたの情熱にコミットすること間違いなしである。
僕は亀田総合病院で初期研修をした後、医師3年目からそのまま整形外科に入りました。珍しいかもしれませんが、当院の整形外科は大学医局に属していません。
科内の雰囲気は和やかで、 各領域の指導医と後期研修医でチームが構成されています。
専門医機構の決まりから、4年間の後期研修の間に6か月間、慶応か帝京どちらかの大学病院で研修することになっています。
1. 慶応義塾大学のプラン(1年間東京歯科大学市川病院、半年間慶応義塾大学)
2. 帝京大学のプラン(1年間帝京大学板橋 整形外科)
僕は②の帝京大学に行く予定になっていて、すごく楽しみです。
僕の1年目は外傷チームでスタートし、整形外科15年以上の経験がある先生について学びました。
1年目の後半は地域の小さい病院に出向し、かなり一般外傷の執刀をしました。
2年目は外傷と手の外科と脊椎(変性疾患がメイン)を回りました。
3年目は人工関節(TKA、THA)を中心に執刀し、外傷、脊椎も継続しました。
後期1年目の後半以降はすごく難しい手術以外は執刀経験も多く積むことができました。
骨盤骨折については助手しかしたことがないですが、頻度は1か月に1回くらい。開放骨折は1か月に2-3例、GⅢb以上は1か月に2例くらいです。
自分ができるようになった手術で、患者さんがしっかりと歩いて外来にきて、笑顔でお話ができるようになっている、そんな経験をたくさんできますし、すごく楽しいです。

確実に言えることは後期研修の4年間、気合を入れて頑張ろうと思う人に対しては十分な経験を得られる環境です。机の上だけではなく、リアルな現場でBasicからAdvanceに成長していこうと思う方におすすめします!