定員:2名

プログラム基本情報

後期研修医(専攻医)は、“整形外科” に所属し、整形外科内の各診療班の一員となります。外傷班、脊椎班、手外科班、関節班、腫瘍班でほとんどの整形外科診療の研修をカバーできます。研修医の指導は日本整形外科学会認定の専門医で、学会の指導者講習を受けた指導医が教育を行います。幅広い整形外科の基本診療能力、高度の手術テクニックを4年間で習得することが可能です。

研修医対象の教育プログラム、臨床研究サポートも充実しており、専門医取得についても、新専門医制度に則って新しい経験症例管理システムで計画的に支援します。みなさんが研修に専念できるように、研修期間を通じて安定した身分(給与・保険など)も当然のことながら保証されています。

また整形外科はスポーツ医学科、リハビリテーション科、救命救急科とも連携を密にしており、希望によっては内科系のリウマチ診療の研修も受けることが可能です。温暖な南房総の地で、熱意ある指導医、向上心に溢れた同期と一緒に、腰を据えたチーム診療方式の研修で、整形外科医としての高みをめざしてみませんか。東京駅からバス1本、下車すれば目の前が病院です。お気軽に見学にお越しください。

プログラム責任者からのメッセージ

整形外科専門医研修プログラムを希望される皆さまへ
整形外科プログラム責任者 黒田 浩司

整形外科医は、あらゆる運動器に関する知識と高い社会的倫理観を備え、運動器に関わる疾患の病態を正しく把握し、高い診療実践能力を有する医師でなければなりません。整形外科医は、生活習慣や災害、スポーツ活動によって発生する運動器疾患と障害の発生予防と診療に関する能力を備え、社会が求める最新の医療を提供し、国民の運動器の健全な発育と健康維持に貢献します。さらに整形外科医は、運動器疾患全般に関して、早期診断、保存的および手術的治療ならびにリハビリテーション治療などを実行できる能力を備え、運動器疾患に関する良質かつ安全で心のこもった医療を提供する使命があります。
この研修目標を達成するために歴史ある亀田総合病院の教育環境を整形外科専攻医の皆様に提供し、個々の能力を最大限に引き出します。

プログラム詳細

 

後期研修プログラム概要

後期研修期間は4年間である。日本整形外科学会の教育プログラムに準じて整形外科の研修を行う。当院には整形外科領域の疾患を扱う診療科としては整形外科以外にスポーツ医学科があり、各科の指導医とも連携をとって整形外科領域の研修内容を充実させる。
整形外科認定医として必要な臨床経験、知識、技術を修得する。前半は救急疾患を中心に全般的な整形外科疾患の治療にあたり、後半は整形外科的な慢性疾患を中心に、また興味のある専門分野についても研修して戴く。また、地域医療も当院で研修可能である。
年次別プログラムは次の通りである。

1)整形外科1年次

入院患者を約10名担当し、主治医の指導のもと、その疾患の診断・検査・手術を学ぶ。
整形外科外来は週1回、退院患者を中心に担当する。
救急疾患を中心に、主治医の指導のもと緊急処置・手術などを学ぶ。

【目標】
基本診察法、基本検査、画像診断、診療録記載などの習熟
入院患者リハビリテーション、患者の術前術後管理などの研修
四肢関節・体幹部などの機能解剖と運動器疾患の病態の理解
緊急処置と保存的治療(ギプス固定、牽引療法)の習熟

2)整形外科2年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来患者を全般的に診療。
救急疾患及び一般的な慢性疾患に対し、主治医の指導のもと手術などを実施する。

【目標】
一般的な整形外科疾患の診断と診療計画の確立
医療の社会的側面と社会保障制度の理解
リハビリテーションの正確な処方と実施
外科的手技の習熟(骨折手術、神経・腱の手術、脊椎手術、スポーツ整形外科や鏡視下手術の基本操作)

3)整形外科3年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来初診及び再診患者を診療。
一般的な慢性疾患に対し、主治医の指導のもと手術などを実施する。

【目標】
整形外科疾患の正確な診断と診療計画の確立
患者の主訴、希望に対しての適切な対処
装具療法の習熟
外科的手技の習熟(スポーツ医学全般、関節形成術、血管手術、複雑な骨折手術、人工関節手術、脊椎脊髄手術)

4)整形外科4年次

入院患者を約10-15名担当。
整形外科外来は週2回、外来初診及び再診患者を診療。
慢性疾患を、主治医の指導のもと手術を実施する。
希望する整形外科専門分野・関連分野の研修。

【目標】
整形外科疾患の正確な診断と診療計画の確立
特殊病態に対する理解と対処
患者さまからの十分な信頼を得る事
専門分野での研修、脊椎脊髄外科での研修
外科的手技の習熟(脊椎脊髄疾患、関節形成術、血管手術、複雑な骨折手術)

『研修中に執刀する疾患及び手術の大略』
・整形外科1年次
新鮮創傷処置、骨折手術(一般的なもの)、皮膚移植術、筋腱靭帯手術
・整形外科2年次
骨折手術(比較的複雑なもの)、関節手術(関節鏡視下手術を含む)、四肢切断術、神経・腱の手術、脊椎脊髄手術
・整形外科3年次
骨折手術(複雑なもの)、関節形成術(人工関節手術を含む)、血管の手術(マイクロサ-ジャリーを含む)、良性骨軟部腫瘍、脊椎脊髄手術
・整形外科4年次
骨折手術(複雑なもの)、関節形成術(特殊な骨切り術を含む)、四肢長調節手術、悪性骨軟部腫瘍、脊椎脊髄手術

定期的カンファレンスとしては、リハビリカンファレンス、新患・術前カンファレンス、外来入院症例検討会、術後カンファレンス、英文誌抄読会など多数ある。
なお、4年間の研修期間中に毎年最低1回の学会発表と1編の臨床論文を発表することを目標とする。

後期研修コース例
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
1年次
基本的な知識と診断学、整形外科的処置、簡単な外傷手術の手技を広範囲に習得
2年次
多彩な外傷の対応、関節外科の基本的な手技の習得、骨関節の感染症、切離断と装具
3年次
人工関節・関節外科
手の外科・関節鏡手技の習得(スポーツ医学科にて)・地域医療
4年次
脊椎外科・骨軟部腫瘍
自主選択(救命救急・リウマチ・リハビリなど)

整形外科後期研修プログラムにおいてスポーツ医学科研修期間中にはスポーツ医学科外来と手術を中心とした研修をしていただき、すべての手術に助手として入っていただきます。また休日のチームドクター活動やメディカルチェック事業にも積極的に参加していただきます。

スポーツ医学科研修期間に習得可能な検査・手術手技

1.検査・処置
処置・検査
関節穿刺・関節内注射(膝関節、肩峰下滑液包、肩甲上腕関節、肘関節、距腿関節、距骨下関節、手関節、股関節)
関節造影(肩関節、手関節、股関節)
ガングリオン穿刺
超音波検査(膝、肩、肘、足、股関節、筋組織、腱付着部)

2.手術手技
半年から1年間の研修では膝・肩関節鏡の基本的な関節鏡視と簡単な膝関節鏡処置ができるようになっていただきます。
膝関節鏡(診断)、肩関節鏡(診断)
膝関節鏡視下滑膜切除術、膝関節鏡視下半月板切除術、膝関節鏡視下関節内遊離体摘出手術