救命救急科専門医研修プログラム
定員:5名
プログラム基本情報
プログラム紹介
 一般的な救急科研修は初療から集中治療までを救急科で研修することが多いですが、当院の研修は救命救急科でER研修、集中治療科でICU研修、救急病棟研修を行います。つまり、救命救急科は軽症から重症のすべての救急患者に対応するER型救急および病院前救急を担当します。そしてICU管理は集中治療科で世界標準の集中治療を学びます。また総合内科にてエビデンスに基づいた病棟管理を学びます。さらに、外傷患者については外科系診療科と協力しながら救命救急科で初療から病棟管理まで行います。
 救命救急科、集中治療科、総合内科がシームレスに連携をとり、急性期治療を中心にとした研修を行うことが当プログラムの特徴です。
 
 教育ポリシー
 当院では世界に通用する臨床能力を備えたオールラウンドな救急医の育成を目標に教育を行います。さらに臨床研究にも力を入れ、国内外の学会や英語論文を通じて世界に情報を発信します。
 
 プログラム年数:3年
 指導医:日本救急医学会指導医5名、同専門医15名
 亀田総合病院を中心に研修を行い、二次救急病院である安房地域医療センター、さらにその他連携先の三次病院でも研修を行います。
 取得可能な専門医資格:救急科専門医、継続研修にて集中治療科専門医も取得可能です
プログラム責任者からのメッセージ
救急科専門医を目指すみなさまへ
 救命救急科プログラム責任者 不動寺 純明
みなさまの救急医のイメージはどのようなものですか。どのような救急医になりたいですか。日本には重症患者に特化した救急医、集中治療が得意な救急医、すべての患者に対応できるER型救急医、救急過疎地や途上国などで活躍する救急医などさまざまな救急医がいます。
 我々亀田総合病院ではこれらのどのような状況でも活躍できる救急医を育てたいと考えています。救急科専門医取得が救急医のゴールではありません、自立した救急医のスタートです。専門医を取得してからさまざまな分野で活躍できるような救急医の基礎を作ります。
 これまで当院で育った救急医は国内外の救命救急センターで活躍するもの、途上国の医療に従事するもの、地域の救急医療を担っているもの、開業して地域の医療に従事するものなどさまざまな分野で活躍しています。このようにオールラウンドに活躍する救急医を育てることが当院の使命と考えています。
 当院の救命救急センターは、すべてを救急科が担い、外来初療から重症管理まで行うのではなく、救命救急科は軽症から重症まですべての初療を対応するER型救急を基本に行っており、IUC管理は集中治療の専門集団が担い、一般救急病棟管理は総合内科が行っています。このように役割分担することで、それぞれの専門分野に特化することができ、さらにこの3つの科がシームレスに連携することでそれぞれの専門医より効率的に研修を受けることができると考えています。
 また、外傷患者に関しては救命救急科主導で各外科系診療科と協力して、初療から病棟管理まで行っています。今後小児救急も小児科と協力して救命救急科でカバーできればと考えています。
 鴨川は自然に恵まれている田舎ですが、近隣に救急病院が少なく症例は豊富です。 病院全体として救急医療には積極的ですべての診療科からの協力が得られます。
 “防ぎうる死亡”を一人でも減らすために我々と一緒に救急医療を展開しませんか。
プログラム詳細
1.プログラム紹介と教育ポリシー
当院の救命救急センターはこれまでの救命救急科が主体の体制から、救命救急科、集中治療科、総合内科の3科がおのおのの専門性を生かしながら協力して急性期医療を行います。
 つまり、救命救急科による北米型ER診療、集中治療科による集中治療、総合内科による入院治療とそれぞれの専門科がシームレスな関係で協力し、救命救急センターのコアとなり、さらに他の専門診療科の協力を得て、高度な救急医療を提供します。
 研修は救命救急科、集中治療科、総合内科を中心にローテーションし、救急医としてのコアな臨床能力を養い、研修終了後にはER型救急センター、集中治療を中心とする救命センターなどすべてに対応できる救急医を育成します。さらに、研修期間中にラピッドカーによる現場活動や君津ドクターヘリのフライトドクター研修も可能です。さらに体制は整えば、外科系診療科と協力し外傷専門医の育成も目指します。
 また、臨床研究も積極的に行い、研修期間での学会発表や論文作成を必須とします。
診療実績:(2023年度)
 救命救急センター総受診者数:24,273名、救急車搬送:4,521台、ドクターヘリ搬送:98件、walk-in:18,425名
2.プログラム年数
3年
 救急科専門医の取得にこだわらない3-6か月の短期フェローも随時募集します
3.取得可能な専門医資格
救急科専門医、その後集中治療専門研修に移行できます
4.研修施設
4-1 基幹研修施設
亀田総合病院
4-2 関連研修施設
安房地域医療センター、八戸市立市民病院、千葉県総合救急災害医療センター、旭中央病院、東京科学大学
6.プログラム概要
6-1 研修目標
すべての救急疾患に対応し、さまざまな状況に応じて救急診療ができる臨床能力を身につける。さらに、他科の医師と十分なコミュニケーションをとり、チームリーダーとして診療を行う能力を身につける。
6-2 研修方略
1)主要各科のローテーションにて研修
 救命救急科18か月、集中治療科6か月、地域研修(安房地域医療センターなど)3か月、その他希望する診療科(院外研修を含む)9か月を基本とし、ローテーションする。(後期研修3年間の場合)
 救命救急科は1-3次までの偏りのないER診療に加え、外傷、蘇生後を中心とした病棟管理を行い、集中治療科、他科(感染症科、総合内科など)ローテによる集中型研修を行うことができる。連携先施設でドクターヘリ研修等も行うことができる。
 将来ER型救急医を希望する場合や集中治療型救急医を希望する場合は個別に相談する。
例:3年プログラムの場合
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 4月 
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 5月 
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 6月 
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 7月 
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 8月 
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 9月 
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 10月 
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 11月 
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 12月 
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 1月 
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 2月 
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 3月 
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 1年目 
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 救命救急科 
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 集中治療科 
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 2年次 
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 救命救急科 
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 安房地域医療センター 
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 院内他科ローテ 
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 救命救急科 
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 3年次 
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 救命救急科 
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 院外研修 
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 集中治療科 
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2)カンファレンス
 症例カンファ 毎朝8:00から前日診療した患者をレビューする
病棟カンファ 毎朝9:00から入院患者のレビューを行う
 ジャーナルクラブ 毎週水曜日に最新ジャーナルの抄読会を行う
レジデントデイ 月2回 専攻医による専攻医のための完全業務フリーの勉強会を行う
3)off the job training
 研修期間中にAHA-BLS、ACLS、ALS、JPTEC、JATEC、MCLSの受講を必須とする。希望すればインストラクターになること積極的に支援する。また、その他の講習会にも積極的に参加するよう支援する。
4)学会活動および参加
 研修期間中に学会発表2回、論文1編を必須とする。積極的に支援する。
