一歩を踏み出した先にある2年間 ― 亀田総合病院初期研修の現場から
初期研修医
亀田小児科産婦人科プログラム
松尾 洋佑
こんにちは。亀田総合病院 初期研修医39期の松尾洋佑と申します。
この文章を読んでくださっている医学生の皆さんは、初期研修先について多くの期待と同時に、不安や迷いも抱えているのではないでしょうか。私自身、6年生の頃は「ここで本当にやっていけるのか」「将来の選択肢を狭めてしまわないか」と悩み続けていました。今回は、そんな立場だった私が、亀田総合病院で医師としての一歩を踏み出し、「ここを選んでよかった」と感じている理由をお伝えしたいと思います。
私が初期研修に求めていたのは、「将来の幅を狭めないこと」でした。
早い段階で何かに決めきるのではなく、まずは偏りなく医療と臨床能力を身につけ、その先で本当にやりたいことを見極めたいと考えていました。亀田総合病院は、多くの診療科が揃っているだけでなく、南房総地域における最後の砦として、あらゆる症例が集まる病院です。この地域には他に大規模病院がなく、commonな疾患からrareな疾患まで、どんな患者さんもここに集まります。そして、それらを当院だけで完結して診療できる設備と体制が実際に存在します。
日々の診療の中で自然と幅広い症例を経験できることは、将来どの診療科を選ぶにしても、大きな自信につながっていると感じています。
幅広い症例を経験できる環境は、それだけ多くの判断と学習を研修医に求めます。そのため、実際に研修を始めてみると、初期研修は想像以上に「わからないこと」の連続であると実感しました。
亀田総合病院では、UpToDateや院内マニュアル、国際的なジャーナルなどへのアクセスが充実しており、自分で考え、調べ、納得するまで向き合うことができます。そして行き詰まったときには、上級医の先生方が必ず立ち止まって一緒に考えてくれます。その積み重ねの中で、「なぜこの判断をするのか」を説明できる力が少しずつ身についていきました。
そして、私が最も魅力に感じているのが、同期との関係性です。
同期24人は、それぞれに強いこだわりと関心を持っています。そのベクトルは、誰かに勝つためではなく、「もっと良い医療をしたい」「自分自身を高めたい」という内向きのものです。しかし、その学びを自分の中に留めることはありません。各診療科で学んだこと、悩んだこと、失敗したことを研修医室に持ち帰り、「自分はこう考えた」「こういう視点もあるのでは」と自然に話し合う。そうしたやり取りの中で、一人の経験が同期全体の学びへと変わっていきます。それぞれが別々の方向に努力しているようでいて、気づけば同期全体が同じ高さまで引き上げられている、そんな感覚を持てる環境です。
初期研修の2年間は、決して特別な毎日の連続ではありません。また、教育環境や同期との学び合いは、数値で示せるものでもありません。それでも振り返ったときに、「ここで学べてよかった」と思える時間が、確実に積み重なっていると感じています。
正直に言えば、他の病院の研修をすべて知っているわけではなく、詳細に比較したこともありません。
それでも、もし「6年生の自分に戻って、もう一度研修先を選ぶとしたら?」と聞かれたら、私は迷わず亀田総合病院を選びます。おそらく、同期の多くも同じ答えをすると思います。
文章や情報だけでは伝わらないものが、ここにはたくさんあります。
ぜひ一度、実際に鴨川を訪れ、亀田総合病院の空気や文化を肌で感じてみてください。皆さんとお会いできる日を、心から楽しみにしています。