新たな一歩 ~ to the next chapter ~

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初期研修医36期生
内科専攻医
髙木 未唯

トンネルを抜けると目に飛び込んでくるピンクと白の建造物群。in the middle of nowhereに突如として姿を現すこの複数の建物は、病院というよりはまるで南国のリゾートを彷彿とさせます。ひとたびその中に入り、窓から外を覗けば、眼下にはどこまでも続く大海原が広がり、そして遠くには山々が見えます。期待と不安を胸に、この自然豊かな鴨川の地に足を踏み入れて早2年。初期研修の月日はあっという間に過ぎました。2年前、私は1学年20名あまりの同期、先輩、そして多くの上級医の先生方やコメディカルの皆さんと出会い、ここで医師としての一歩を踏み出しました。初期研修修了にあたり、自分がどのようなことを考えていたのかを今思い出しています。

皆さんはどのような医師像、キャリアプランを考えていますか?
「早く一人前の医師になりたい。」これが私の目標でした。そのために、初期研修の2年間を主体的に、そして多くの症例を経験することが必要であると考え、亀田総合病院を志望しました。亀田の魅力は、具体的に言えば、次のような部分だと考えていました。

亀田の魅力とは

私が感じる亀田の魅力

  • 地域の中核病院でありcommon diseaseからレアな疾患まで偏りなく、様々な症例を経験することができます。
  • walk inから3次までの救急を受け入れ、研修医がそのfirst touchに関わることができます。
  • 研修医が最前線で活躍できるための上級医やコメディカルによるサポート体制が整っています。
  • 全科が揃っていて、各科に複数の指導医がいて、コンサルトや専門的アドバイスを受けることができます。
  • 海外の先生や留学経験のある先生方が複数いて、global standardを見据えた国際的知見を深めることができます。

実際に研修をしていく中で、私が考えていた前述のイメージはまさにその通りであったと体感しました。それ以上に強く感じたことは、周りに他には大きな病院がないため、患者さんはここに来るという選択肢しかないということです。亀田は地域最後の砦なのです。多くの症例を経験できると同時に、自分たちが地域の皆さんの健康を守らなければという責任感が自然に生まれました。

また、救急外来では、定期的に当番に入ることで、症例を緊急度に合わせて、症候ごとに対応する力がつきました。必ず指導医がバックにつき、またコメディカルのサポートもありますので不安はありません。指導医の先生方には相談がしやすく、日々新たな学びがあります。
更に、学生時代にはよく知らなかった亀田の新たな魅力も見つけました。

亀田で過ごして気づいた魅力

  • 当たり前ですが、同期、先輩、後輩と研修医は皆仲が良いです。しかし、ただ単に一緒に楽しく過ごすことにとどまらず、経験した興味深い症例や対応に苦慮した症例を共有する文化があります。研修医室(通称レジ小屋)で膝を突き合わせて、みんなで振り返りをすることは大変楽しく、勉強になる時間です。
  • 研修医が主体的に、それぞれの興味がある分野で症候学をテーマにしたレクチャーを行っています。他人に伝えるために色々と下調べをし、スライドを作って発表することにより、自分自身の理解が更に深まります。また各科の上級医の先生方にコメントを頂くことにより、より深い知識を得ることができます。
  • 亀田では多くの研修医が学会に参加する等、学術活動の機会があります。私は経験した症例をアメリカの学会で発表したり、英文case reportに投稿したりするという経験ができました。初期研修中にこのような経験ができる研修病院はなかなかないと思います。

以上が亀田の特徴であり、同時に研修の魅力であると思います。

新たな一歩

さて、私が医学部5年生になろうという時期に、皆さんがご存じのように未知のウイルスが世界中を脅かし、人類は不安と恐怖の中、手探りでそれに立ち向かって行きました。多くの命が失われ、そのような状況下でも私たちの先輩方は最前線で現場の医療に従事し、このCOVID-19と名付けられたウイルスと戦い、罹患した患者さんたちの救命に最善を尽くしていました。無力であった自分はそのような先輩方に感謝の気持ちで一杯でした。

今までに経験したことの無い、また先の見えない状況が何年も続き、人々の価値観もこの間に大きく変わったように思います。人と人との繋がり、物事の優先順位、等々…。
そのような中、自分自身も無意識のうちに安易な道を選択しがちになってしまっているのではないかと思い、時に反省します。

初期研修の2年間は医師としてのいわゆる土台となる部分です。この時期をどう過ごすかでその次の一歩も変わってくると思います。初期研修期間にQOML(Quality of My Life)を大事にし過ぎて、せっかく目の前にある学びのチャンスを活かさなければ、後々困るのは自分自身です。いわゆるラクを追求すればきりがなく、その時は楽しいのかもしれません。しかし臨床能力の低いまま年数だけが過ぎて行き、出来ない専攻医、出来ない指導医になってしまうと結局恥をかくのは自分自身です。

医療の道に進むということは、一定の責任を負うということです。大変だなと思う時もありますが、ずっとその大変な時期が続くということもきっとないはずです。
晴れた穏やかな日に窓から見える鴨川の海は、水面が輝き、波音も静かです。しかし嵐の日には同じ海が怖いくらいの白く高い波をたて、不安にさせるような音を出します。
研修生活、また人生も同様に穏やかな時、大変な時があるのだと思います。それを繰り返しながら、一歩一歩次の段階へと進んで行くのではないでしょうか。

家族を守りたいと思ったお医者さんに憧れる少女から医学生へ、地域医療に貢献したいと思った医学生から初期研修医へ。そして今、私は初期研修医から内科専攻医へという新たな一歩を踏み出そうとしています。この先どんな未来が待っているのか、このstoryはどんな展開を迎えるのか、次の一歩は何になるのか。可能性は無限大です。そしてそれを決めるのは私自身です。

皆さんの新たな一歩はどこでどのようになるのでしょうか?もちろん決めるのはあなた自身です。私がもう一度初期研修先を選ぶ立場になれるのなら、迷わず亀田総合病院で次の一歩を踏み出すでしょう。

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