臨床病理科専門医研修プログラム

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定員:1名

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プログラム基本情報

1.プログラムの理念
亀田総合病院は、南房総半島全域を医療圏とする基幹病院です。館山、勝浦、いすみ、山武など近隣の各市に関連病院があり、千葉幕張や東京京橋にも関連施設を有しています。病理検査で扱う症例は、非常に多彩で豊富であり、国内トップクラスの症例数を有しています。病理診断は、常勤病理医12名(うち病理専門研修指導医5名)と非常勤病理医10名が診断業務に当たっており、肺・肝・血液・骨軟部・乳腺など専門性の高い領域については、院内外のエキスパートが診断や研修指導を担当しています。臨床病理カンファレンスは毎週2,3回開催されており、病理と臨床各科や放射線科との活発な情報交換が頻繁に行われています。本プログラムでは、臨床各科との緊密な連携と、経験豊富な病理医の指導の下で短期間に多くの症例を経験することにより、即戦力として地域医療に貢献できる実力のある病理医の育成を目指します。また、アジアで最初の100%デジタル化病院として認定されており、デジタル病理およびテレカンファレンス技術が卓越しています。長崎大学病理と随時ウェブ会議システムにて接続された環境にあり、合同の診断カンファレンス(サインアウトセッション)が毎日数回行われており、長崎大学の各分野におけるエキスパートから直接指導を受けることが可能です。

2.プログラムにおける目標
本プログラムでは、診断技能のみならず、臨床検査技師や臨床医との連携や難解症例の扱いを習得することにより、地域基幹病院にて即戦力として活躍することが期待できる一方で、教育者や研究者など幅広い進路に対応できる経験と技能を積むことが望まれます。
専攻医は、常に研究心・向上心をもって検討会やセミナーおよび国内外の病理学会などに積極的に参加し研鑽を積んで、生涯にわたり自己学習を続けるとともに、自己を正しく認識し対象がその限界を超えると判断した時は、指導医や専門家の助言を求めたり、臨床医や画像医とのmultidisciplinaryなチームディスカッションに提出するなどの判断力が要求されます。設備や機器についても知識と関心を持ち、剖検室や病理検査室などの管理運営に支障がでないよう対処する必要があります。

プログラム責任者からのメッセージ

臨床病理科プログラム責任者 福岡 順也

全国各地から多くの若手医師が研修に集う施設であり、セミナーやレクチャーも豊富に用意されています。病理検査件数は全国トップクラスで、アクティブな臨床医との豊富なディスカッションを経ることで、高い臨床センスを有する病理医を育成することが可能です。
さらに、世界トップレベルのデジタル化環境を有する当院病理診断科では、常時複数個所の医療施設とWeb会議システムが接続された環境が作り出されており、毎日複数回において実施されるWeb会議システムによる長崎大学との症例カンファレンス「サインアウトセッション」では、広い専門知識の取得に加え、デジタルパソロジー技術を駆使した遠隔診断の技術も学ぶことができます。
また、今後必要となる画像解析や人工知能の応用も積極的に取り入れており、研修の中にもこれらの技術が含まれてきます。病理検体に基づいた網羅的遺伝子解析の臨床応用であるクリニカルシークエンスも積極的に導入し、今後の病理医に必須と考えられる3つの知識、①分子生物学的知識と②デジタル病理の知識さらに③インフォーマティクスの知識を修得できる環境が形成されています。
国外の病理医も多くカンファレンスに参加し、国外施設とも高頻度にカンファレンスを行うため、カンファレンスによってはすべて英語にて行われるものもあります。将来において国外での活躍を見据える医師には絶好の研修環境といえるでしょう。自由を愛し、グローバルな感覚を有し、将来の医学を牽引する大志をもつ若人を望んでいます。

プログラム詳細

 

プログラムの実施内容

i)経験できる症例数と疾患内容
本プログラムには剖検数は年間49例、組織28225件・細胞診は38007件、迅速診は1101件が割り当てられており、定員4名(年平均1名)の病理専門医受験に必要な症例数は余裕を持って経験することが可能です。

ii)カンファレンスなどの学習機会
基本毎日行われるカンファレンスや各種のセミナーに参加することにより、臨床情報のみならず、各サブスペシャリティを有する病理医より、専門的な知識の習得が可能です。
また、連携施設研修中は、インターネット回線を用いたwebカンファレンスにより、基幹施設および連携施設の症例検討会やセミナーにも参加します。最新型のデジタルパソロジーシステム導入により組織像やポインターをリアルタイムで画像共有し、ディスカッション顕微鏡感覚で症例検討会に参加できます。

iii)地域医療の経験(病診・病病連携、地域包括ケア、在宅医療など)
南房総半島の安房医療圏・山武長生夷隅医療圏で病理医が常勤する医療施設は亀田総合病院以外にはなく、亀田総合病院では、安房医療圏、山武長生夷隅圏南部の医療機関からの病理解剖を受け付けています。また、関連施設である亀田京橋クリニックや幕張クリニックに関しては標本搬送により病理診断を担当しており、指導医のもとでこれらの業務を経験します。

iv)学会などの学術
本プログラムでは、3年間の研修期間中に最低2回の病理学会総会もしくは北米病理学会 (United States and Canadian Academy of Pathology)の年次総会や支部学術集会における筆頭演者としての発表を必須としています。発表した内容は可能な限り英文雑誌に投稿するよう指導します。

v)グローバルな環境(豊富な外国人スタッフとのカンファレンス)
亀田総合病院の病理診断科および連携している長崎大学では、優秀な外国人指導員およびスタッフが多数在籍しており、診断カンファレンスを一緒に行います。英語によるカンファレンスが毎日実施されており、国内留学感覚で自身のグローバル化を推進することが出来ます。また希望により外国人指導員による研究指導も行います。